飲酒文化一考

 桜の満開はもうすぐだ。この時季、歓迎会や花見で酒を飲む機会が多くなる。ワクワクする人もいれば、アルコールが苦手なために気乗りしない向きもあるかもしれない▼酒に強いか弱いかは、アルコールから代謝されるアセトアルデヒドを分解できるかどうかで決まる。日本人の40%程度は遺伝的に分解力が弱く、数%は全く分解できないという。つまり、半分弱は「弱い」か「下戸」。遺伝子に由来するから、どう頑張っても強くはなれない。一方、白人や黒人は、ほとんどがすぐに分解できる「強い」人だ▼数%に入るはずの筆者は宴会が苦痛だった。雰囲気は嫌いではないが、つがれるのを断るのが一苦労。申し訳ない気持ちになったり腹立たしく思ったりしたものだ。アルコールハラスメントという言葉が浸透した最近の酒宴は随分穏やかになった。とはいえ、酒のトラブルは多い▼イッキ飲み防止連絡協議会は毎春、急性アルコール中毒につながる一気飲みをやめるよう呼び掛ける。強要されて死亡した学生の親らで組織。手記を読むと、亡くなった学生と親御さんの無念を思わずにいられない▼飲酒運転が重大な交通事故を招くケースは、世間を何度騒がせても後を絶たないし、アルコール依存症は大きな社会問題だ▼スサノオノミコトがヤマタノオロチに酒を飲ませて退治する出雲神話も、飲み過ぎは禁物だと訴えている。酒にまつわる豊かな歴史を持つ出雲地方から、下戸も引きつけられるような上質な飲酒文化をつくれないものか。(輔)

2017年4月4日 無断転載禁止