女子ログ 言ってよ、もおー

 初めて海外に行ったのは、中学2年の夏だった。ドイツとカナダで過ごしたが、私の話す英単語は全く相手に伝わらなかった。発音の重要性に気付き、外国の歌手のCDや映画のビデオを見聞きしながら発音をまねした。

 3年前にアリゾナに引っ越してきて、飲食店の接客の仕事に就いた。言葉が話せないのが理由でクビになったらどうしようかと不安で、同僚の話し方や言い回しを、メモを取ったり、小さい声でまねしたりして何とかお客さんとやり取りできるようになった。

 半年が過ぎたころ、同僚が、私の話す英語はなまりがあってかわいいと言い出した。すると別の同僚が、私が発音する「チリソース」の「チリ(chilli)」が、スラング(俗語)でおっぱいを意味するtitties(米国英語の発音でティリー)に聞こえて笑えると言うのだ。

 面白がった同僚たちに促されて「チリソース」と言うと、みな大笑い。今まで気づかずにお客さまにもそう言っていたのかと思うとものすごく恥ずかしくなった。

 「ちょっと、それ早く教えてよー!」と言うと、「面白かったから直してほしくなくて…」と返ってくる始末。やはり発音はおろそかにできないなと赤面しながら思った。以後、Chiの発音を意識して、チ!!リソースと努めて言うようにしている。
(松江市出身、米国フェニックス在住・サボテン)

2017年4月5日 無断転載禁止