3都トップの宿題

 島根県東部から鳥取県西部にかけてスーパーをチェーン展開していた経営者と取材を通じて知り合いになった。10年以上前だが、出雲市から米子市までカバーしながら、それぞれの地域に応じてどんな品(しな)揃(ぞろ)えをしてどういう売り方をすればいいかという話を聴くことができた▼売り上げの中心地の一つが米子市。「米子の消費者は反応が早い。新しいものにすぐ飛び付くので、こちらも多少のリスク覚悟で新商品を店頭に出せる。ただしいつ息切れするか、目が離せない」▼これに対し松江市の消費者。「総じて保守的。じっくり見極めてから判断する。急に売れることもなければ落ちることも少ない。新商品はまず米子で試してから」▼出雲市に続いて松江市と米子市の市長選挙の投票が終わった。出雲市は3期目、松江市は合併前から通算して6期目のベテラン、米子市は新顔に市政の舵(かじ)取りが任された▼米子商工会議所の調査では2000~08年まで産業総生産は米子市が21%落ち込んだのに対し、松江市13%減。この間全国の景気は緩やかに回復したが、中海圏域はその波に乗れなかった▼役人は鳥取県庁のある東に顔を向け、商売人は商圏が広がる西を向くといわれる米子市。殿様商売と言われてきた松江市と郊外の大型店に客足が集中する出雲市。いずれも中心部空洞化などの課題に取り組む。官民とも中海を挟んだ各市が手を結べばいろんな可能性が広がる。広域連携がそれぞれの市長の宿題となる。(前)

2017年4月17日 無断転載禁止