半年ぶり 投入堂に感動 鳥取・三徳山で山開き

三仏寺投入堂に向かって法要を営む行者たち=鳥取県三朝町三徳、三徳山
 山陰屈指の山岳信仰の場で、鳥取県中部地震で登山ルートが被災した同県三朝町三徳の三徳山で、迂回(うかい)路の整備が完了し、18日に入山が解禁された。熱心な参拝者たちが、半年ぶりに間近で拝観できるようになった国宝の三仏寺投入堂に向かって手を合わせた。

 地震のため、重要文化財・文殊堂が建つ岩盤に長さ約15メートル、幅10センチ、最深2メートル以上の亀裂が入った。岩盤は本堂から投入堂に至る約700メートルの登山ルートの一部で、鎖を伝って登る難所の一つ。山を管理する三仏寺は地震発生後に入山を禁止。別の場所に全長約30メートルの鎖場を整備した。整備費はネットを通じて資金を募るクラウドファンディングを活用。予定の200万円の4倍以上となる870万円が全国から寄せられた。

 18日は本堂での開山法要の後、行者5人が入山。文殊堂をはじめ登山ルート上にあるお堂で法要を営みながら、一般の参拝者約50人と共に投入堂を目指した。

 迂回路の鎖の長さは被災前の倍以上。参拝者たちは足元を確かめながら、慎重に登っていった。投入堂前では、行者たちの読経とほら貝の音が渓谷に響き渡る中、急峻(きゅうしゅん)な岩肌に張り付いたような建物に見入った。東京都東村山市から観光で訪れた元IT関連会社勤務の飯田浩己さん(65)は「写真で見るのとでは、迫力が全然違う」と、本物の魅力にうなった。

 岩盤はエコー検査で、亀裂の状況を解析中。寺は結果を待って、修復に向けた国との協議に入る。寺の米田良順執事次長は「多くの皆さんのおかげでこんなに早く開山できた。山がみんなの財産であることを忘れず、大事に守っていきたい」と喜びをかみしめた。

2017年4月19日 無断転載禁止