きらめく星 木星とスピカ

おとめ座と木星=3月25日、大田市の三瓶山・国引(くにび)きの丘(おか)で撮影(さつえい)
 春空に並(なら)んだ特別な眺(なが)め

 空が暗くなる午後8時から9時ごろ、外に出てみてください。とりわけ目立つ黄色みがかった明るい星が、南東の空にすぐ見つかるはずです。それは、木星(もくせい)です。

 木星は、太陽の周りを回る惑星(わくせい)の一つで、直径が地球の11倍もあり、太陽の光を反射(はんしゃ)して、たいへん明るく輝(かがや)いています。

 木星のそばには、木星ほどではないのですが、明るい星があることにも気付くと思います。青白く光るこの星は、おとめ座(ざ)のスピカです。スピカからYの字に星が並(なら)んだあたりがおとめ座で、ギリシャ神話での正義(せいぎ)の女神(めがみ)または農業の女神とされています。この女神は麦の穂(ほ)を持っていて、スピカには「穂先」という意味があります。

 木星が目印(めじるし)になりますから、たとえYの字形がうまく見えなかったとしても、おとめ座がどこにあるのか簡単(かんたん)にわかりますね。

 ただし、この探(さが)し方ができるのは、今年だけです。なぜなら、木星をはじめとした惑星は、いつも同じ星座に留(とど)まって見えるわけではないからです。例えば昨年の春は、木星はおとめ座のとなり、しし座に見えていました。一年かけて、木星が星座一つ分ほど動いたのです。

 実際(じっさい)、木星は毎日星座の中を、ゆっくりとですが移動(いどう)しています。スピカと木星の位置の関係を、一週間ごとにでもスケッチなどして記録すると、そのことがわかると思います。二つの星が西空に見られるようになる夏休みまでこの観察を続ければ、木星の動きが単純(たんじゅん)ではなく、スピカから西側に離(はな)れたあとUターンして、またスピカに近づく様子もわかるでしょう。

 ともかく、木星とスピカが並んだところは、次は12年後まで見られない特別な眺(なが)めですので、ぜひ気にかけて夜空を見上げてください。

 (島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ))

2017年4月19日 無断転載禁止

こども新聞