女子ログ 夢を諦めない

 3月、お世話になった小学校の恩師が教員生活に終止符を打った。先生はどんな時でも、児童一人一人ときちんと向き合う教師だった。

 私がいじめに悩んで不登校になった時も、逃げずに立ち向かう勇気をくれた。けれどクラス全員からは「えこひいきだ」と責められていたと知ったのは、卒業して15年以上たった後のことだ。「後にも先にもあんなに大変な児童は、お前たちだけだった」と笑いながら話してくれた。

 私が学校を休んでいた間、先生はクラス全員から1人の児童だけを特別扱いしていると責められた。それでも一人一人と正面から向き合い、どんなに小さな思いでも、時間がかかってでも、一つ一つを受け止めた。

 一方ではなく両方の言い分に耳を傾けて心を開いた。大切なことほど諦めずに向き合う姿勢を、私は先生から学んだ。先生と出会っていなければ、私は嫌なことからすぐに逃げ出す諦めの早い人間になっていたと思う。

 卒業時、先生は教え子一人一人に漢字を1字ずつ色紙に書いて贈ってくれた。私への文字は「夢」だった。どんなに大きな壁にぶち当たっても、たった一人になったとしても、夢を諦めない。これからも私は自分と向き合いながら、過去を力に変え、未来を創造し今を精いっぱい生きる。それが恩返しだ。

 (松江市・アスチルベ)

2017年4月21日 無断転載禁止