政権幹部の不用意言動/自ら厳しく律した行動を

 安倍内閣の政務三役や自民党幹部による不用意な言動が続いている。今月に入ってからだけでも今村雅弘復興相の東京電力福島第1原発事故に伴う自主避難者対応を巡る無配慮な発言があった。

 また、山本幸三地方創生担当相の重要文化財保護に絡む事実誤認的な発言が続き、18日には中川俊直衆院議員が女性問題で経済産業政務官を辞任した。

 憂慮すべきなのは閣僚や自民党幹部の言葉が、原発事故被害に苦しむ福島県の住民などに対して向けられていることだ。

 さらに、一連の失言が森友学園問題などを巡る稲田朋美防衛相の答弁や、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案審議での金田勝年法相の迷走が政治問題化した後に起きている点は問題といえる。

 おごりがあったとしても反省があれば、自らを律することはできる。一連の発言からは反省どころか自覚さえないのではないかと思わざるを得ない。国家を運営する者として、被災者など痛みを感じている人々に対して無神経な言葉を発することはあってはならないのだ。

 安倍政権内の緊張感の欠如を指摘したい。無自覚さをうかがわせるような出来事は2013年参院選、14年衆院選に続いて圧勝を収めた昨年夏の参院選後から今年初めにかけて起きていた。

 一つ目は昨年9月、臨時国会冒頭の衆院本会議で起きた。安倍晋三首相が、自衛隊員らをたたえるため所信表明演説を中断し拍手した。多くの自民党議員がこれに応えて、一斉に起立し拍手、大島理森議長が着席を促す事態となった。

 次はその翌月、山本有二農相が佐藤勉衆院議院運営委員長のパーティーで、環太平洋連携協定(TPP)承認案について「強行採決するかどうかは佐藤氏が決める」と言及。さらに後日、この発言について「冗談を言ったら首になりそうになった」と軽口をたたいた。

 三つ目は今年2月の参院本会議での出来事だ。新幹線網の整備・拡充を求めた自民党議員が質問を終え、議長席前の壇上を離れる際に、伊達忠一参院議長が、「北海道新幹線が(質問の中に)入っていない」と注文を付けたのだ。

 伊達氏は北海道選挙区選出。公正中立であるべき議長が自らの選挙区への利益誘導につながりかねない不規則発言を行った。

 国会の多数派が首相への支持を表明するのは当然だが、閣僚が所管する案件の議事運営の在り方に言及したり、議長が質問者に対して利益誘導的な注文を付けたりするような国会のルールから外れた行動は慎まなければならないだろう。

 これらの出来事は参院選大勝を受けて自民党総裁の任期延長論が浮上、3月の自民党大会で3期9年への延長が正式決定した時期に当たり、政権の安心感が緩みにつながってはいないか。1強状態を増した安倍首相に公然と異を唱える勢力も皆無に近い。

 議員がフェイスブック(FB)上で、不用意な発言をすることへの批判も増えている。すべての議員が国民と国会の権威に敬意を払い、自らを厳しく律して行動しなければならない。

2017年4月22日 無断転載禁止