鳥取の西郷工芸の郷 移住第1号に陶芸家の花井さん

創作活動に打ち込む花井健太さん=鳥取市河原町湯谷、花輪窯
 鳥取市河原町西郷地区の住民が地域活性化のため作家を呼び込むプロジェクト「いなば西郷工芸の郷(さと)」で1人目の移住者として、福岡県東峰村から陶芸家の花井健太さん(31)がIターンした。この道4年目の新進気鋭。尊敬する人間国宝の陶芸家・前田昭博さん(62)をはじめ多彩な作家が切磋琢磨(せっさたくま)する土地柄に引かれた。22日に開く工房は「花輪窯」と銘打つ。「地域の人と触れ合い、意見交換しながら良い作品を作りたい」と意気込んでいる。

 花井さんは千葉県柏市出身。東京芸大大学院で彫刻を学んだが「生活の一部として身近に使ってもらえる焼き物を作りたい」と陶芸の道に入った。2014年から3年間、東峰村の工房で腕を磨き、16年には福岡県美術展入賞、日本伝統工芸展入選を果たした。

 かねて独り立ちを考える中、前田さんらのプロジェクトを知った。山あいの西郷地区は人口約1200人。過疎高齢化が進み、高齢化率は42%を超す。半面、白磁を手掛ける前田さんの「やなせ窯」、江戸時代から続く「牛ノ戸焼」と「因州中井窯」の三つの窯元があり、ガラス工芸や木工など多彩な作家が住む、まさに工芸の郷。住民がものづくりに関心が深く、創作に没頭できる環境も気に入った。

 地区内の鳥取市河原町湯谷に工房を構えて創作を始め「陶器を極めて西郷から世界に出て行けるような作家を目指す」と夢を描く。

 前田さんら住民は地区の特色を生かし「工芸の郷」を構想。16年9月、移住者向けに空き家をあっせんする一般社団法人「西郷工芸の郷あまんじゃく」を設け、全国の作家に移住を呼び掛けている。同法人の北村恭一代表理事(70)は「花井さんを中心に若い作家の受け入れにつなげたい」と手応えを口にした。

2017年4月22日 無断転載禁止