女子ログ 御囃子DNA

 結婚してから松江と出雲で暮らすようになり、驚いたことの一つが「何でこんなにブラスバンドとか合唱が盛んなの?」。全国大会で金賞を取る学校が毎年のようにあり、「○○の神様」といわれる指導者があちこちにいて、当地出身の声楽家や演奏者も枚挙にいとまがない。ずっと住んでいる皆さんには当然かもしれませんが、他県ではこんなに熱心じゃありませんから。

 不思議に思って地元の方に尋ねたところ、「島根大学の特音(特別教科=音楽=教員養成課程)が設置されたからじゃない?」。いや、だからそもそもなぜ「音楽」だったの? それに、進学や職業に直接結びつかなくても、中学・高校時代を音楽にまい進する子たち、それを応援する親御さんたちの何と多いこと。

 ところが最近、思わぬところで長年の謎が解けました。それは偶然手に取った「御囃子(おはやし)日記」という一冊の本。江戸時代の松江藩御用商人である瀧川伝右衛門という人物の日記を翻刻したものです。そこには、大商人のおじさんたちが家業の傍らバンドを組んで稽古を重ね、藩主や重臣の前でお囃子、狂言を披露する様子が綿々とつづられていました。

 何だ、ずっと同じことやっているのね! 音楽を愛する心。それは松江城下の人にとって、もはやDNAに刷り込まれたものなのでしょう。

      (出雲市・海苔蔵)

2017年4月22日 無断転載禁止