夜桜照らすかがり火10年 心に残る観賞提供

かがり火に照らされた八重桜を観賞する市民ら
 島根県雲南市三刀屋町の三刀屋川河川敷の桜をかがり火で幻想的に照らす活動を、地元の住民有志が続けている。地域活性化につなげようと始めて10年目。かがり火の数や実施日を増やし、ファンを広げてきた。満開の桜の下、23日にもかがり火をともす。

 2008年、金属会社の社員だった同市三刀屋町多久和の妹尾富徳さん(67)=が発起人となり、会社の仲間と始めた。

 三刀屋川沿いはソメイヨシノや八重桜、緑色の花が咲く御衣黄などが約2キロにわたって植わり「仕掛けを加え、もっと人の心に残る桜を観賞できるようにしたい」とかがり火4基を作り、2回ともした。

 3年目からは三刀屋川周辺の自治会に呼び掛け、準備を手伝ってもらうとともに、夜桜を見ながら宴(うたげ)を楽しむ仲になった。

 大変なのは、まきの準備。2時間で約120キロ必要なため、妹尾さんが自身の雑木林からスギやクリの木を切りだし、乾燥させる。知人らから廃材をもらうこともある。

 今は見頃に合わせて年5、6回、10~17基を設ける。国道54号を通る県内外の人から「きれいですね」と声を掛けられ、ドライバーと一緒にお茶を飲みながら楽しむこともある。

 今季4回目の19日夜は5人で準備し、市民18人で花見を楽しんだ。川面に波一つ立たないほど風のない穏やかな夜で、夕闇の中、煌々(こうこう)と燃えるかがり火がピンク色の八重桜を照らした。

 23日は午後6時半から1時間程度、150メートルにわたって17基でともす予定。妹尾さんは「これからも皆さんの心を炎で温め続けたい」と話している。

2017年4月23日 無断転載禁止