政務活動費/襟を正し透明化を図れ

 島根県議会で政務活動費(政活費)を巡り、収支報告書の修正や議員辞職が相次ぐ異例の事態が起きた。地方議会の活性化を図る目的で交付される政活費は、公務に広く使途が認められているが、貴重な公金だ。議員自らが襟を正し、透明化を図らなければならない。

 「政治とカネ」を巡る問題は、国政でも毎年のように表面化し、政治不信の原因になっている。3年前の兵庫県議会議員の「号泣会見」や、宮城県議会の「過大請求」など、政活費に対する問題が相次ぎ、地方議会にも燃え広がった状況だ。

 全国で公になった不正の手口は、白紙領収書をもらうか領収書を偽造する架空請求、支払額を書き換える水増し請求、別の購入品にするすり替え請求などがある。もちろんそれらは個人の違法行為だが、議会事務局などが領収書からすべてを判別することは難しい。また、議員の理解不足から不適切な支出を指摘され、後に修正するなど、運用上の難しさも課題だ。

 島根県議会では、3月3日、自民党の森山健一議員が、政活費の手引で不適当とされる後援会活動への支出の指摘を受け、「疑念を払しょくしたい」として収支報告書を修正。363万円を返還した。今月17日には民進党の和田章一郎議員が、調査名目の架空領収書を知り合いの業者に書かせ、計140万円を不正に受け取っていたことが判明。同議員は全額を返還し、議員辞職した。

 同議会では、議員個人に月額27万円、所属会派に1人3万円ずつが交付されている。個人分は年間297万円から324万円になるが、交付金額の水準は全国平均の420万円より低く、財政状況などが加味されている。2015年度は最高で220万円を返還した議員がいる一方で12人が全額を使い切るなど、支出状況の個人差も大きい。

 使途は手引に細かく定められている。各種研修の参加費、調査研究費、広聴広報費、書籍などの資料費などには使用可能。反対に議会公務、政党活動、選挙活動、後援会活動、慶弔餞(せん)別(べつ)、飲食を主目的とする会合などには使えない。議員は1年分の収支報告書を提出し、議会事務局がチェック、修正した後、閲覧可能な状態で公開される。

 領収書は13年からすべての支出について義務付けられた。15年には収支報告書のホームページ(HP)公開が始まるなど、徐々に見直しが図られた。収支報告書のHP公開は全国の都道府県議会で24議会のみだが、これで十分か。同議会にはさらなる透明性の確保を求めたい。

 領収書の写しをHP上に公開するよう求めた陳情を受け、今年3月には懇話会を設置し検討が始まっていた。衆人環視の仕組みにすると牽(けん)制効果が期待できる。また、調査委託費に報告書の提出を義務付ける方向で議論が始まっている。早急に改革を進めるべきだ。

 手引には政活費を充当する基本的考えとして、議員自らの「説明責任の原則」掲げている。再発防止と透明性確保は議員の責務だ。地方議会として襟を正す姿勢を見せるとともに、本来の目的である政務活動を充実させることで、県民の理解を得なければならない。

2017年4月26日 無断転載禁止