取材班・出雲農林高新聞部 高校生ケータイ事情

 教育現場での新聞活用を推進するNIEの一環で、山陰中央新報社は、高校生に紙面を提供します。テーマ設定から取材、インタビューまで高校生が主体となり取り組みます。第1回は出雲農林高校新聞部です。テーマは「携帯電話と高校生」。

100人調査危険性の認識不十分
  使用料は月額8000円前後


 ケータイは必需品? 近年、急激に機能が多様化している携帯電話。高校生にとっても情報収集やコミュニケーション手段以上の道具になりつつあり、「ケータイ依存症」という言葉さえ生まれています。連絡が取りやすいメリットはありますが、一方で使用料などの経済的負担が発生したり、犯罪に巻き込まれる可能性も否定できません。情報化社会の中で便利な道具をどう使いこなすか。今どきの高校生のケータイ事情を調べることで「上手で賢い使い方」を考えてみました。

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 高2の大半所持
 携帯電話を家に忘れると大切な用事があるわけでもないのに不安になったり、家の中でも肌身離さず持っていないと気が済まない人も増えています。

 出雲市内の高校生100人にアンケートした結果、今の高校生は中学校卒業までに大半の人が携帯を買ってもらい、高校2年生では、ほぼ全員が持っていました。

 携帯を買ってもらうきっかけ・理由は「家族との連絡用」がトップ。月々の使用料は8000円前後が多く(グラフ1)、その大半は親が払っていることが分かりました(同2)。定額制やリミット制にしている人も多くいました。

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 メール使用が主
 携帯は主に校内、校外の友だちとのメールに使用。利用は「1日20件以上送信」が36人もおり(同3)、私たちの予想をはるかに超える利用頻度でした。しかも、内容は特に緊急性はなく、学校での会話の延長としてメールが利用されています。

 最近問題となっている掲示板の利用も多数ありました。携帯でトラブルに遭った例としては、迷惑メールの一種・チェーンメールがもっとも多く76人でした。身に覚えのない高額な料金を請求された人も6人いました。

 このような携帯に関係する犯罪や危険性について知っていて、できるだけ注意をしている人は58人いました。しかし、犯罪や危険性について知らない人、知っていても自分は大丈夫と思っている人、または考えたことがない人が42人もいます。

 携帯に関する犯罪は決して他人ごとではなく私たちの身近なところに存在しています。便利さの裏側にある危険性を認識した上で、賢く上手に携帯電話を利用していくことが大切だということを、痛感しました。


出雲署生活安全課幡本課長に聞く
  断る勇気と早めの相談を

 もし携帯電話によるトラブルに遭った場合、どのように対応したらいいのでしょうか。被害に遭わないための方策を、出雲署の幡本優・生活安全課長に話を聞きました。

出雲警察署で取材する出雲農林高校新聞部員たち=出雲市塩冶有原町、同署
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 -島根県内では昨年1年間に携帯電話に関するどのような犯罪がどの程度発生していますか。
 「出会い系サイトに関する犯罪は県内で11件。架空請求やネットオークションに関連した犯罪の相談件数が343件あった。ただし実際はもっと多い」

 -高校生や中学生に関する犯罪は。
 「出会い系サイトを利用したものが多い。好奇心でサイトを見て書き込みに返事を書き、相手に会うことでさまざまな犯罪に巻き込まれている」

 -被害に遭わないための方策は。仮に被害に遭った場合はどうしたらいいですか。
 「出会い系サイトなどは見ない。電話などで誘われてもきっぱり断る。被害に遭った場合は泣き寝入りせず、早く大人に相談してほしい」

 -高校生や中学生の携帯使用にひとこと。
 「携帯を使うこと自体を悪いとは言わないが、常に犯罪が潜んでいることを知っておいてほしい。お金がかかることも忘れずに」


 取材後記
 取材を通じて携帯電話に関する犯罪がより現実的に感じられました。また、アンケートでは少数ながら、「自分は大丈夫」と思っている人もいることから、いつトラブルにあってもおかしくないことが分かりました。

 日ごろから、危険と隣り合わせであることを意識し、行動に責任を持てるようにしなくてはいけないと思いました。

 今回の取材は私たちにとって初めての体験で、学校を出る前からみんな緊張していました。警察の方にインタビューをしても、話をうまくまとめられなかったり、よく理解できなかったりと、力の無さを痛感するばかりでした。ですが、非常に貴重な体験ができたと思います。今後、体験を生かして取材をしていきたいと思います。(出雲農林高校新聞部一同)


 部活紹介・読みやすさ心掛け
 私たち出雲農林高校新聞部は、2年生9人で活動。主に、校内新聞「出農情報局」を発行しています。
 学校行事や、それぞれの科で行っていることなどを掲載しています。新聞を作るのは初めての人ばかりなので、最初のころは何をどうすればいいか分からず、戸惑うことや、うまくいかないことがありました。
 まだまだ経験は少なく、文章も稚拙ですが、興味を持ってもらい、読みやすい新聞を作ることを目標とし、日々頑張っています。
 出雲農林高校新聞部員=岡田絵里、小村岬、周藤梨花、飯塚美穂、西村祐美、景山沙帆、石橋あゆみ

2006年7月7日 無断転載禁止

こども新聞