取材班・出雲工高新聞部 高校生の楽しみは?

 高校生に紙面を提供し、取材を行ってもらう「青春はつらつ新聞」。今回は出雲工業高校新聞部が「高校生の楽しみは?」をテーマに、山陰と都会地の娯楽に対する意識の違いなどを分析しました。

 島根・東京・大阪737人調査 地方も都会も音楽鑑賞

 「皆、何をして楽しんでいるのだろう?」と素朴に思ったのがきっかけ。何を娯楽として求めているのか、都会と田舎の違いはあるのか…。地方代表としてわが出雲工業高校、都会地代表として東京実業高校(東京都大田区)、大阪高校(大阪市東淀川区)の生徒737人がアンケートに答えてくれた。

 「今、何をすることが楽しいですか」では、出雲工は1位に「音楽鑑賞」、2位「ゲーム」、3位「テレビ」で、4位が「友との雑談」、5位「睡眠」。都会の高校では1位が「音楽鑑賞」、2位が「友との雑談」、3位が「部活」「ゲーム」。

 都会の高校生は夜遊びをしている人が多いのでは-とのイメージを持っていたが、予想に反して内容に大差はなかった。

 「楽しみを誰と分かち合うか」は、出雲工は1位が「友人」、2位が「一人」、3位が「恋人」。都会も同じ順位。

 ただ、注目すべきはその割合。出雲工は都会に比べ、一人で楽しむ人の割合が多く、何だか島根の県民性を感じる。「恋人」の割合は都会の方が高く、島根には出会いの場や、グループで楽しむ場所が少ないことが背景にあるかもしれない。

 「1カ月にどのくらいのお金を楽しみに使うか」では、出雲工は1位が「1000円以上1万円未満」、2位が「1000円未満」。都会も1位は「1000円以上1万円未満」だが、2位は「1万円以上3万円未満」。

 都会には娯楽施設が多いので、学校の帰りに立ち寄ったり、お金を使う機会が多いようだ。出雲市は娯楽施設が少なく、あっても遠くて行くのが困難。結局、なかなか行けず、お金を使う場面が少ないのかもしれない。

 「休日にどのくらいの時間を楽しみに使うか」は、出雲工の1位は「5時間以上」(55・9%)、2位は「3-5時間未満」(26・1%)。都会では、1位「5時間以上」(54・3%)、2位は「1-3時間未満」(24%)。

 都会は夜遅くまで遊んでいるという私たちのイメージとは逆に、出雲工より楽しみに使う時間が少ない。塾やアルバイトに時間を取られているのだろうか。

 「自分の住んでいるところに欲しい娯楽施設は何か」の質問では、出雲、都会地とも、スポーツ施設、カラオケ、コンビニ、書店-などで大差はなかった。ただ「ない」が都会12%、出雲工15%。出雲は都会に比べ、娯楽施設が少ないのに「ない」が多かった。

 出雲工の方が娯楽施設を欲していると思っていたが、あまり変わらず驚いた。出雲工は釣り好きの生徒も多く「豊かな自然」に魅力を感じているのかも。

 取材した出雲商工会議所青年部の西浦会長が「娯楽施設が近くにあるのもいいが、何より安心して暮らせる町というのが一番だ」と話していたが、心に残った。

 出雲商議所青年部西浦会長に聞く
魅力あるまちについて話す出雲商工会議所青年部の西浦隆慈会長
  魅力あるまち 安心ある暮らしが一番

 若者にとって魅力あるまちとは、どんなまちか。高校生の楽しみを取材する中で浮かんだ疑問を、まちづくりに取り組む出雲商工会議所青年部の西浦隆慈会長(43)に聞いた。

 -出雲市はレジャー施設が少ない。若者が楽しむのに魅力的なまちだと思うか。
 「魅力あるまちとは何かにもよるが、生徒が楽しむことができるレジャー施設は確かに少ない。都会と違って人口が少なく、ただ施設を増やしても経営が成り立たないのが現状だ。都会のように公共交通機関が発達していないことも関係あるだろう。車がない高校生は、遊びに行くのも大変だと思う」

 -青年部ではどんなまちづくりをしているか。
 「出雲ならではの神話を勉強している。伝統を無視するのではなく、地域の成り立ちを分かった上で新しいまちをつくるためだ。出雲の魅力を全国発信したい」

 -魅力あるまちとはどんなまちだと思うか。
 「安心して暮らせることが、一番の魅力ではないか。まちは、一つ一つの家でできている。その一軒ずつに温かみがあり、それが全体に広がったとき、素晴らしいまちになる。たくさんの施設があるだけで、魅力があるというわけではないと思う」

 取材後記
 今回、アンケート調査や取材で情報を集めたが、かなり時間と体力を要する作業だった。記事を書くことも含め、情報を集めることはとても大変だと痛感した。締め切りまでに記事を仕上げなければならなかったが、なんとか書き上げることができ、本当にうれしかった。新聞部員として、今回、自分たちの書いた記事が地域の人たちに読んでもらえる機会を持てたことはとてもいい経験になったと思う。(出雲工業高校新聞部一同)

 部活紹介・少人数でも積極取材
 出雲工業高校新聞部は、明るい校風もあり、とても元気な新聞部です。

 3年生3人という少人数ですが、顧問の先生も一緒に「出工タイムス」という校内新聞を作っています。

 少人数での活動は、一人でも欠けると新聞がなかなか発行できないので、一人一人が自分の仕事をこなせるように頑張っています。取材も積極的に行い、高校生による高校生に読んでもらって面白い新聞を目指しています。
 出雲工業高校新聞部員=石飛葉子、吉岡麻希、大森沙弥

2006年8月1日 無断転載禁止

こども新聞