外交で成果、地方選は苦戦 インド、モディ政権2年

 【ニューデリー共同】インド下院選の圧勝でモディ政権が発足して26日で2年。日本の新幹線方式による高速鉄道計画の決定や、中国をにらんだ米国との協力強化など積極外交を繰り広げて成果を上げるが、経済改革は停滞し、与党インド人民党(BJP)は地方選で苦戦している。ただモディ氏の支持率は7割超となお高く、長期政権に向け来年の大規模地方選で勝利を目指す。

 西部ムンバイ-アーメダバード間(約500キロ)でのインド初の高速鉄道に新幹線方式を決定し、日本の原発輸入を可能にする原子力協定にも原則合意。2015年12月の日印首脳会談で両国の課題が一気に前進した。外交筋は「モディ政権は決められる外交」と評価する。

 就任以来、モディ氏は欧米や中東、アジアなど約40カ国を歴訪し、宿敵パキスタンには15年末に約12年ぶりの電撃訪問を果たした。インド洋で中国が影響力を強める中、モディ政権は今年4月、軍の後方支援協力で米国と原則合意するなど成果を重ねた。

 一方でBJPの支持母体ヒンズー至上主義者らとイスラム教徒の対立が拡大。世俗派の支持離れもあり、BJPは15年秋の東部ビハールの州議会選で大敗した。今年4~5月の4州1連邦政府直轄地の議会選では北東部アッサム州で勝利したものの、他は地域政党などが強固な地盤を示した。

 上院ではBJP連合は少数派で、過半数を占める下院と「ねじれ」が起きている。土地収用法といった経済改革の重要法案の成立は足踏みしている。上院議員は地方議員の間接選挙で選ばれるため、BJPは地方で支持を広げる必要がある。

 大手経済紙ミントによると、14年8月に82%だったモディ氏の支持率は、今年5月で74%と高水準を維持している。来年には北部ウッタルプラデシュ州で議会選が実施される。約2億人の人口を抱える最重要州の議会選は、時の政権政党の「試金石」と言われ、モディ氏が続投を目指す19年の総選挙の前哨戦となりそうだ。

共同通信社 2016年5月25日 無断転載禁止