太陽が宿る街

 「見た目は子供、頭脳は大人」のキャッチフレーズで有名な人気アニメ「名探偵コナン」。15日に全国公開された劇場版21作目は最初の2日間で98万人を動員し、歴代最高のスタートを切ったという▼人気は映画だけではない。作者の青山剛昌さん(53)の古里・鳥取県北栄町由良宿にある「青山剛昌ふるさと館」の2016年度入館者は過去最高の11万人余りを記録。昨秋の鳥取中部地震の影響をものともしなかった▼好調の要因の一つが、入館者の約14%を占める外国人客。米子空港の香港便就航が追い風となり、海外ファンの割合が増えた。青山さんと同郷で二つ年下の筆者は高校時代まで町で外国人客を見た記憶はなく、隔世の感がある▼この勢いを生かしたいのが、22日に発足1年を迎えた山陰インバウンド機構だろう。外国人観光客の誘致を目的に、島根、鳥取両県の官民15団体が結集したが、これまでは県ごとにPRしてきたため「山陰」の認知度アップに腐心する▼山陰を英語で「Sun Inn」と記し、「太陽(Sun)のお宿(Inn)」「太陽が宿る街」として売り込めないか。2年前まで日銀松江支店長を務めた木村武さん(52)=現・金融機構局審議役=は以前、本紙コラム「羅針盤」でこう提案した▼「宍道湖や日本海に沈む夕日の美しさを見れば、外国人も間違いなく感動する」とも。山陰の名を海外で広めるには、コナンに負けないくらいに印象的なキャッチフレーズが必要だろう。世界にアピールできる素材はいくつもある。(健)

2017年4月29日 無断転載禁止