輝(き)らりキッズ 双子兄弟躍動の舞披露


剣をもって「太平楽」を舞う、加多壮太さん(手前)、航太さん=島根県隠岐の島町池田、隠岐国分寺
 隠岐国分寺蓮華会舞(おきこくぶんじれんげえまい)

    伝統の継承に責任感

        加多 壮太(かた そうた)さん
            航太(こうた)さん (西郷中1年)



 奈良(なら)時代から平安時代に伝わり、約1200年の歴史を誇(ほこ)るとされる舞楽(ぶがく)「隠岐国分寺蓮華会舞(おきこくぶんじれんげえまい)」(国指定重要無形民俗文化財(むけいみんぞくぶんかざい))が4月21日、島根県隠岐の島町池田の隠岐国分寺(重栖隆快住職(おもすりゅうかいじゅうしょく))で奉納(ほうのう)され、小中高生7人も舞台(ぶたい)で躍動(やくどう)しました。演目(えんもく)「太平楽(たいへいらく)」の初奉納舞台となった西郷(さいごう)中学校(同町栄(さかえ)町)1年の加多壮太(かたそうた)さん(12)、航太(こうた)さん(12)の双子(ふたご)兄弟も流麗(りゅうれい)な奏楽(そうがく)に合わせ、一生懸命(いっしょうけんめい)舞っていました。

  ☆  ★  ☆

 加多さん兄弟は、小学3年生の時、同舞楽を伝承(でんしょう)する地元の隠岐国分寺蓮華会舞保存(ほぞん)会(浅生久(あさいひさし)会長、会員約30人)の会員から声をかけられ、同会に入会しました。2人はこの4年間、ずっと舞手(まいて)として舞台に立っています。

 舞台で披露(ひろう)される演目は計7演目で、鳥かぶとをかぶって化粧(けしょう)もした少年4人が舞う「太平楽」のほか、菩薩面(ぼさつめん)をつけた子ども2人が獅子(しし)に眠(ねむ)りから起こされて相撲(すもう)をとる「眠り仏(ぼとけ)」、翁面(おきなめん)をつけた子どもが農作業の様子を表現(ひょうげん)する「麦焼き」の3演目の舞は、子どもたちの役目です。

加多さん兄弟(中央)を囲み、弘法大師春季大法要を前にくつろぐ小中高生会員=島根県隠岐の島町池田、隠岐国分寺
 2人そろってつい最近まで、「眠り仏」の舞手でしたが、今回から「太平楽」を舞うことになりました。3月から同寺で、毎土曜日に集まって稽古(けいこ)を積み、本番に臨(のぞ)みました。

  ☆  ★  ☆

 「太平楽」は、隠岐高校1年生の白川瑛雪(しらかわてるゆき)さん(15)、中条(なかすじ)小学校5年の航靖(こうせい)さん(10)兄弟と一緒(いっしょ)に披露しました。笛(ふえ)などのはやしに合わせ、4人の息を合わせるのも大変です。本番前日夜の舞台稽古でも「ずれていた」(航太さん)そうですが、瑛雪さんの「ダイナミックにやって」などの助言で気持ちもほぐれ、本番終了(しゅうりょう)後には「上手(じょうず)にできた」(壮太さん)と満面の笑(え)みを浮(う)かべていました。

 始めた当初は「ただ踊(おど)りをがんばる」(壮太さん)「今だけがんばろう」(航太さん)という気持ちでしたが、公演先の観覧者(かんらんしゃ)らの感動の言葉や、大人たちの熱心な姿(すがた)に気づき、「次の人に受け継(つ)いでもらえるようがんばりたい」(壮太さん)「大人になってもやりたい」(航太さん)と、思いは変わってきました。

  ☆  ★  ☆

 「昔の踊りの形のまま受け継がれている」(壮太さん)「音楽と踊りだけで物語りを伝える」(航太さん)といった魅力(みりょく)ある隠岐を代表する同舞楽。将来(しょうらい)2人がやってみたい役目は雅楽(ががく)を演奏する楽人(がくにん)で、「笛を吹(ふ)きたい」そうです。

 蓮華会舞は、面や衣装に中国や東南アジアの影響(えいきょう)を色濃(こ)く残す、隠岐独特(どくとく)の芸能(げいのう)です。2007年2月の同寺本堂の火災(かさい)で舞踊(ぶよう)道具一式を焼失(しょうしつ)しましたが、保存会員が復元(ふくげん)して08年に奉納を再開。伝統(でんとう)を受け継いでいます。


 ≪プロフィル≫

【好きな教科】体育  (壮太さん)

   社会、理科、体育(航太さん)

【好きな食べ物】

 みそラーメン、焼き肉(壮太さん) 肉(航太さん)

【趣味(しゅみ)】野球(壮太さん、航太さん)

2017年5月3日 無断転載禁止

こども新聞