大田・伝統の花田植 古代ゆかしい時代絵巻

早乙女姿で苗を植え付ける女性たち=大田市水上町
 室町時代から現在の島根県大田市水上町に伝わるとされる市無形民俗文化財の伝統行事「水上町花田植」が14日、町内の水田であり、田植え囃子(ばやし)が響く中、早乙女姿の地元女性が苗を植え付ける古式ゆかしい時代絵巻を、大勢の見物客が見守った。通常は4年に一度行うが、今回は7月の石見銀山遺跡の世界遺産登録10周年を記念し、変則的に3年ぶりに開いた。

 水上町花田植は大正時代末まで実施されていたものの、戦争などで中断したという。1987年に地元の青年団が中心となって復活させた後は、ほぼ4年に一度、住民たちが実行委員会を組織して開いている。

 この日はまず、近くの水上神社で安全を祈願。2頭の飾り牛と男性が代かきを行った後、早乙女姿の女性31人が水田に入って横一列に並び、地元の小学生や大人たちが打ち鳴らす太鼓などの田植え囃子の調子に合わせ、約10アールの水田に苗を丁寧に植え付けていった。

 早乙女として田植えに初めて参加した大田第三中学校(大田市水上町)1年の山本悠乃さん(12)は「いい記念になった」と喜んだ。

 実行委員長を務めた田中光治・水上町郷土芸能保存会長(62)は「地域の伝統、歴史を次世代へと引き継げるよう、今後も努力していきたい」と述べた。

2017年5月15日 無断転載禁止

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