津軽海峡マグロ女子会/人をつなげ道をつくる

 街の元気づくりコーディネーター 久保里 砂子

 「津軽海峡マグロ女子会」(通称・マグ女(じょ))という元気な女子たちのグループがある。マグロ食べる女子の集まりではなく、マグロをPRする会でもない。死ぬまで泳ぎ続けるマグロのように、さまざまなことにチャレンジし、泳ぎ続ける女子たちの集まりだ。

 津軽海峡を望む青森と道南各地に生息するメンバーは、地域おこしの実践者、観光や宿泊関係の仕事に関わる者、プランナー、銀行員、学生など職業も多彩で、20~50代まで幅広く、2017年3月現在74人で私もメンバーの1人だ。

 連携して地域を盛り上げようという力強い女子たちのアライアンス。行政や何かの組織が声を掛けて集めたグループではなく、志と笑顔とふるさと愛を共有する同志。マグ女たちは、隣の町が死んでも、自分の町だけは生き残るなどということはあり得ないと思っている。

 それぞれ懸命に泳ぎ続けているが、自分の町だけの小さな輝きでは立ち行かない。だからお互いに競争し、尊敬しあいながら、お互いの足元を磨いていく。地元愛にあふれたマグ女が、連携して津軽海峡に囲まれたエリアを輝かせていこうとしているのだ。

 マグ女のミッションは(1)連携…人をつなげて、道をつくる(2)発信…地元の人から学び、足元に光を当てる(3)創造…津軽海峡圏の元気づくりのけん引役になる。

 2009年に発足し、これまで、津軽・道南・下北で、おのおのが企画したツアーを実施したり、北海道新幹線の開業に関連したさまざまなイベントに参加して盛り上げたり、開業記念弁当のプロデュースもした。

 各地のメンバーが集まって話し合い、青森と道南の食材や、昔から好まれている郷土料理や味付けを施した「津軽海峡なつかしの『にぐ・さがな弁当』」は、JR東日本主催の駅弁味の陣という駅弁総選挙で、新作弁当ながら総合2位の副将軍になるなど、注目を集めている。

 昨年から始めた「マグ女のセイカン♥博覧会」は、津軽海峡圏の寄り道旅を促進するものだ。16年10月1日~11月15日の期間中、12市町村で35のプログラムを実施した。石見地方で実施しているオンパク「いわみん」のような取り組みだ。

 街歩きやトレッキング、酒や食、手仕事体験や歴史・文化を感じるものなど、地元の面白い物や、地域を支えている人たちの汗やこだわりに光を当てた内容。漁師に、サメの皮はぎ体験をさせてもらったり、自衛隊の護衛艦に潜入したりして、カレーを食べて見学するプログラムもある。暮らしぶりや生業を感じてもらえるものも多い。

 今年3月、マグ女3周年で企画したツアーに、下関から2人の女子が参加した。彼女たちは、刺激を受けて地元に帰り「津軽海峡がマグロなら、関門海峡はふぐだ!」と、関門海峡ふく女子会を設立した。さらに、ふく女に刺激されて、鳴門海峡では、たい女子会ができそうだ。一気に飛び火して、日本列島をつないでしまいそうな勢いである。

 どこの街にもマグ女のような女子がいるだろう。わが街で一人一人がパビリオンとなって発信していけば、街は魅力あふれる玉手箱になる。日常の暮らしの中から、小さな輝きを見つけ、自ら楽しみながら、周囲を引き寄せる、自然体の街づくりが地域を元気にしていくことだろう。

 人がつながれば道ができる。各地の小さな光も同時多発的に輝かせれば、大きな光になる。足元に光を当てて仲間とともに発信する。つながる力で地域を盛り上げていこうではないか。

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 くぼ・りさこ 青森県弘前市出身。商品科学研究所、セゾン総合研究所研究員を経て、商店街活性化、街づくりを実践。2008~11年度まで、松江市中心市街地活性化協議会タウンマネージャー。青森県むつ市在住。

2017年5月21日 無断転載禁止