使える英語と入試

 英検やTOEFLは英語の力を測る民間の検定試験だが、その受験体験を聞くと、こちらの勉強不足をつつかれるようで肩身の狭い思いをする。英語が重要になっている社会の空気は感じるが、日常生活には直接関係ないと割り切って自分に言い訳している▼その英検やTOEFLが学校教育を大きく変えるかもしれない。文部科学省が現在の大学入試センター試験に代えて導入する新共通テストの実施方針案を公表した。このうち英語は現在のマークシート方式に代わって英検など民間の英語検定試験を利用し、その結果を評価する▼留学やビジネスに生かす検定試験は話す力など実践力が試される。その実践力を入試改革に取り入れたいという狙いはよく分かる。今は少し様子が変わっているらしいが筆者の頃は英語の授業と言えば読解と文法が中心で、話す聴くとなるとほとんど役に立たなかった▼読めても話せないという日本の英語教育の欠陥は、英語を実際の生活場面で生かす訓練が不足しているためといわれる。基本的な単語の意味を場面に応じて使い分ける応用力が乏しく直訳型に囚(とら)われるうらみがある▼使える英語への転換は歓迎するが、検定試験を入試に採用することで地域によって入試対策に格差が生じることはないのか。授業も検定試験の過去問が主役に取って代わるかもしれない▼検定試験への準備をいかに公平に確保するか。数ある試験の中でどれが入試として信頼できるのか。学校教育との相性も気になる難問である。(前)

2017年5月22日 無断転載禁止