光り舞う町

 JR木次線は前身の簸上鉄道(宍道-木次間)が開業後、016年で100周年。17年は宍道-備後落合間の全線開通から80周年と、2年続けて節目を迎える▼簸上鉄道の開通当時、乗客を楽しませた観光の目玉が、雲南市大東町の赤川のホタル見物だった。臨時列車を増発し、赤川の鉄橋の上で列車を止め、ホタルが火の玉のように乱舞する姿が人々を魅了した▼赤川のゲンジボタルが現在も、県内随一の生息地となっている背景には、地元の「赤川ほたる保存会」の貢献が大きい。その一方で、現状のまま手をこまねいていると、保存会の活動が衰退する恐れが生まれている▼赤川では1955年ごろから川の汚れや豪雨災害でホタルが激減した。事態を憂慮した住民が83年、保存会を結成して旧大東町に要望。町が大東町ほたる保護条例を制定しホタルと生息地が天然記念物に指定された▼半面、保存会役員19人の大半が70~80代と高齢化が進む。毎年、数万匹のホタルの幼虫を放流しているが、人工飼育に成功したのは役員の1人だけで、技術が途絶えかねない。5月下旬から1カ月間はホタルの繁殖を促すためメンバーが毎晩、街灯を消して回る。夏の風物詩は、地道な活動が支えている▼見頃となる6月10日、JR木次線の出雲大東駅(雲南市大東町飯田)で、大東ほたる祭りが開かれコンサートなど多彩な催しがある。祭りを機に地元の若者が保存会の現状を知り、活動を継承してほしい。大東が光り舞う町であり続けるよう願いたい。(道)

2017年5月27日 無断転載禁止