熱気帯びる戦いの舞台 全仏オープン28日開幕

 【パリ=本紙特派員・藤井俊行】松江市出身で、テニス男子シングルスの世界ランキング9位、錦織圭(日清食品)が初の四大大会制覇に挑む全仏オープンが28日、フランスの首都パリで開幕する。今季のクレーシーズンを締めくくるグランドスラム。歴史ある大会の舞台を紹介する。

 大会の歴史、特色 屋根なし 16年雨たたられ

「ローランギャロス」と呼ばれ親しまれる全仏オープン。大会が近づき、会場内の熱気も高まってきた=パリ
 通称「ローランギャロス」。全仏オープンは、世界で初めて地中海横断飛行に成功した仏軍パイロットにちなんだ会場名で親しまれる。1891年にフランス選手権としてスタート。当初男子の単複のみだったが、女子の単複、混合ダブルスが加わった。現会場となったのは1928年。四大大会で唯一、全会場屋根なしで降雨による中断、日没サスペンデッドも。雨にたたられた昨年は、第9日が大会史上2度目となる全試合中止となった。センターコートのフィリップ・シャトリエ(1万5千人収容)は2019年、可動式の屋根が設置される。地元勢ら「ひいき」の選手に対する熱心な応援で知られ、相手選手へのブーイングは容赦ない。


 コート 消耗戦になりやすい赤土

 四大大会唯一の赤土(クレー)の舞台。れんがを砕いた粉を敷いたレッドクレーで、全20面ある。ボールが弾み球足が遅くなるため、ラリーが続き消耗戦になりやすい。

 土のコートで球跡が一打一打がつくため、コンピューターでボールの軌道などを分析して映像処理する「チャレンジシステム」を採用していないのも、四大大会でここだけ。イン、アウトの際どい一打で、主審がラインに駆け寄り判定する光景はおなじみ。

 錦織はベスト8(2015年)が過去最高。ジュニア時代、男子ダブルス優勝(06年)を果たした思い入れのある舞台でもある。

  歴史の重み感じる建造物

 「花の都」と呼ばれ、街も人も華やかなパリ。フランス北部に位置し、人口225万人。5、6月は比較的雨が多く平均最高気温20度前後。3月下旬から時計の針を1時間進める「サマータイム」で日本との時差はマイナス7時間となる。

 エッフェル塔や凱旋門などの名所ばかりか、街並みを形成する石造りの建造物、石畳も歴史の重みを感じさせ、市街地を囲むように流れるセーヌ川や全仏オープン会場に隣接するブローニュの森など自然も多い。

 緯度が高いため午前6時ごろから午後10時近くまで明るく、街角で見かけるオープンカフェは夜遅くまでにぎわう。

2017年5月28日 無断転載禁止