全仏テニス特派員便り 規模拡大へ迫られる変化

植物園からのぞく拡張工事の重機が、ローランギャロスの空にそびえる=パリ
 空を突き刺す青、白、赤のトリコロール。隣接する植物園で全仏オープンの会場・ローランギャロスの拡張工事が行われている。「さわやかな風が吹き抜ける」という表現を使いたくなる、緑豊かなブローニュの森もすぐそば。そびえ立つ重機が、目にも刺さる。

 大会中、作業は中断されており静かだが、実は停滞気味のようだ。植物園は、現大会会場となった1928年よりも古い19世紀後半の開園といい、起源は1761年とか。約10万種が育てられ、希少植物も確認されているため、工事中止を求める環境保護団体は多く、裁判も起こしているそうだ。

 それでも、計画は進むのだろう。全仏の来場者は昨年41万人。同じ四大大会の全米、全豪は70万人超で、大きく水をあけられている。フィリップ・シャトリエで四大大会のセンターコートで唯一なかった屋根の設置計画があり、日没後の試合ができるようになるのも合わせて「規模拡大」の流れだ。

 今大会、シングルス優勝賞金は昨年から10万ユーロ増の210万ユーロ(約2億5600万円)。1回戦敗者も3万5千ユーロ(約427万円)を獲得する。テニスの世界的な繁栄、盛り上がる大会の影で、迫られる変化がある。

2017年5月31日 無断転載禁止