きらめく星 月と5円玉

5円玉を持って腕を伸ばし、穴から見た月=5月16日撮影(さつえい)
 月が大きく見えるのは錯覚(さっかく)

 昇ってきたばかりの月や、地平線に沈(しず)もうとする月が、大きく見えたことはありませんか。高いところにある月より、2倍も3倍も大きく見えたという人もいることでしょう。

 そんなに大きく見えるのなら、月の表面にあるクレーターというくぼみも見ることができそうです。でも、肉眼(にくがん)でクレーターが見えたという話は聞いたことがありません。不思議(ふしぎ)ですね。それでは、実際(じっさい)に月が大きくなっているのか、確(たし)かめてみましょう。

 使う道具は、5円玉です。5円玉を手に持って、目から50センチぐらい離(はな)します。おおまかには、腕(うで)をいっぱいに伸(の)ばせばよいでしょう。その5円玉の穴(あな)に、空に出ている月を合わせてみてください。月が穴にすっぽり収(おさ)まります。意外に小さいと感じるかもしれませんね。

 その方法を、地平線から昇り始めた月で試(ため)すと、どうなると思いますか。たとえ満月(まんげつ)だったとしても、5円玉の穴にちょうど入るのです。さらにそこから高くなっていく月でもやってみてください。

 月が大きく見えるのは目の錯覚(さっかく)で、本当は一日を通して、月の見かけの大きさは変わりません。

 実際の大きさは変わらないのに、どうして低い月は大きく見えるのでしょうか。地平線近くの景色(けしき)と一緒(いっしょ)に月を見る場合と、ただ空の月だけを見る場合とでは、大きさの感じ方が違(ちが)ってくるからだという説(せつ)もありますが、はっきりした理由はまだわかっていません。誰(だれ)もが経験(けいけん)する身近な現象(げんしょう)なのに、解明(かいめい)されていないこともあるのです。

 なお、朝日や夕日が大きく見えることもあるように、太陽にも同じことがいえます。ただし、太陽を直接(ちょくせつ)見るのは危険(きけん)なので、この5円玉の実験は必ず月で行ってください。

 ◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)

2017年5月31日 無断転載禁止

こども新聞