全仏テニス特派員便り 今年も気になる空模様

ローランギャロスで今年も咲いた傘の花=パリ
 少し日が傾いた2日午後、北西の空で雷鳴がとどろいた。見上げると、暗い、灰色の雲が近づいていた。

 気温30度を超える日もある、晴れ続きの今大会だったが、どこかで降るとは思っていた。その1発目は10分程度の小雨。スタンドに咲いた傘の花に「今年も、来たな」と実感した。

 錦織圭選手は昨年、2年連続8強入りが懸かった4回戦で、雨に負けた。第1セット、1時間4分の降雨中断を挟み、4-2から逆転された。

 ペースを乱されたというだけではない。気温、湿度によって、まして雨のぬれ具合によって、ボールは重さや反発が変化する生き物。驚くようなショットを生む、繊細な感覚の持ち主であるほど天候の変化に苦しむだろうことは、容易に分かる。

 「いいテニスができなかった」という1回戦後の会見で、錦織選手はガットについて触れた。「同じテンションでも、きのう緩いと感じていたものが、きょうは硬かった。正直難しかった」。暑い日が続いていた中、あの日は涼しかった。

 2回戦は「完璧」という言葉も出るほどの内容。悲願の四大大会制覇へ、さらに研ぎ澄まされていくだろう彼の感覚が、できるだけ邪魔されないよう空を見上げたまま祈った。

2017年6月4日 無断転載禁止