ベストショット 第3セット第7ゲーム

バッククロスさく裂

 両者ブレーク一つずつの3-3で迎えた、第3セットのベルダスコのサーブ。ジュース6度ともつれた、この第7ゲームの4度目のジュースで、両者譲らぬ19本のラリーに終止符を打つスーパーショットが飛び出した。

 相手の第1サーブに対するリターンから互いに右へ、左へと振り合う展開となり、左利きの相手のフォアが自陣左へと伸びたのは16本目。右腕とともに目いっぱいラケットを突き出し、返球した。

 サイドラインと平行して舞い上がった、錦織の放った17本目は、相手のベースライン近くで高く弾むチャンスボール。左の強打者のうなりを上げるスマッシュが来る、と会場全体が身構えたその時、もう動いていた。

 左コーナーを襲ったボールに対し、小刻みなステップを踏むと同時に、腰の入ったバックハンドのクロスがさく裂。相手コートの右サイドライン内側に突き刺さり、ブレークポイントを握った。

 ブレーク成功はその後2度のジュースの末のことで、直接の分岐点にとはならなかったが、第1セットから行ったり来たりの展開の中、この日一番の大歓声を呼んだ一打は、相手にとって「どこに打っても返される」という重圧となり、少しずつ試合を動かしていく。

2017年6月7日 無断転載禁止