世事抄録 新たな生き方

 60歳で退職し、はや10年、今年はいよいよ70歳になる。「歳月人を待たず」というが、時がたつのは早いものである。

 生き生きした生活づくりはなかなか難しいところであるが、現在私がおこなっている一つに「文学修業」がある。自分なりに文章を書いたり、気にいった短詩(詩、俳句、短歌)を毛筆書きしたり、読みたい作品だけじっくりと気ままに楽しんだりしている。在職した頃はそそくさと過ぎ去ったのと比べ、ゆったりとした時間の中に棹(さお)さすので実に楽しく実りある時間である。もしかしたら、今後の時間の過ごし方はここらあたりに活路が見えてくるのではなかろうか。

 「地蔵和讃(わさん)」というお経の中で、幼くして亡くなった子どもたちは「父恋し、母恋し、兄弟恋し」と泣きつくして、涙が枯れると、賽(さい)の河原の石を積んではこわし、積んではこわし繰り返し遊ぶ。遊んでいるのは亡くなった子どもたちのみならず、まさに自分たちのこの世の姿なのではないだろうか。

 昔学んだ英語のことわざに“A rolling stone gathers no moss”(常に活動している人は精神が新鮮である)というのがある。人生を大きな視野で眺めながら、生き方が日々新たなものとなるよう努めていきたい。

 (鳥取県大山町・伯耆のウリボウ)

2017年6月8日 無断転載禁止