アキのKEIルポ 戦いながら調整模索 印象的言葉残した大会

 思い返せば、多くの印象的な言葉に満ちた大会だったように思う。

 「トップ選手に値しないミスが多かった」

 初戦後は勝ってなお、自分のプレーをふがいないと彼はいさめた。

 「雨が降っていなかったら100パーセント負けていた」

 3回戦のチョン・ヒョン戦では、中断の雨の恩恵を素直に認める。

 「悔いを残してコートを去りたくはなかった」

 第1セットを0-6で奪われながらも逆転したベルダスコ戦では、気持ちこそが勝因であることをうかがわせる言葉を残した。こうして彼の言葉をつづるだけでも、今大会がいかに起伏に満ちた道のりだったかがうかがえる。

 例年は前哨戦で結果を残し挑む全仏だが、今年は手首のケガもあり十分な実戦を積めずに挑んだ。大会を戦いながら調整するすべを模索し、幾つもの危機を乗り越え至ったベスト8。その舞台で世界1位のマリー相手に、第1セットは「これ以上ないプレー内容」を披露する。

 「もったいないミス」を重ね敗れはしたが、「良い2週間だった」と最後は前を向いた。特に懸念された体力面では「2週間の中で戦いながら回復できた。身体が強くなる証拠」だと明言する。自分が何を持ち、何を欲するか知った今大会が、一つのターニングポイントになると信じたい。

 (フリーライター・内田暁)

     =おわり=

2017年6月10日 無断転載禁止

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