大山友禅染の魅力伝える 作家・川原さん夫妻 

大山友禅染の技法で染めたスニーカーを手に取る川原栄次さん
 「大山友禅染」の作家・川原栄次さん、かなよさん夫妻=鳥取県伯耆町金屋谷=が、スポーツ用品大手アシックスジャパン(東京都)と連携し、大山友禅染の技で革を染めたスニーカーを商品化した。染めの対象は布や紙が多く、革はほぼ初挑戦。東京や大阪での販売が好調だったことから、第2弾の製作に向けた検討も始まった。手応えをつかんだ夫妻は「大山友禅染の幅が広がった」と展開の広がりを喜ぶ。

 兵庫県出身の川原さんは京都で友禅染の技法を学んだ後、1982年にかなよさんの出身地である伯耆町に移住した。2016年にはパリで個展を開くなど、活躍の場を広げている。

 日本の伝統技法をデザインなどに応用したいと考えたアシックス側が2年ほど前に打診。アシックスと話し合いを重ねながらデザインや色合いなどを考え、桜の花びらの柄と、幾何学模様で作ることとなった。

 靴として完成した状態から、白い牛革を手作業で染め付け。のりやろうを塗った部分は色が付かないのを生かして、柄を表現した。染料のぼけ具合が布などと異なる革の特徴に対応するのに苦労したが、薄い色を足すなどの工夫を重ねて、納得のいく試作品ができた。

 今年2月半ばに靴が届き、本生産に移行。午前8時から午後11時ごろまでアトリエにこもって製作に没頭した。染色や乾燥をそれぞれ3~4回繰り返し、一足作るのに1週間から10日ほど掛かる靴を、2カ月足らずで数百足完成させた。川原さんは「時間が限られていたが、丁寧に作ることを心掛けた」と振り返る。

 スニーカーとしては高価な部類に入る2万円台半ばの価格ながら、またたくまに完売した。川原さんは「大変だったが勉強になり、作家としての幅が広がった。第1弾で得たノウハウを踏まえ、第2弾はもっといいものを作りたい」と意気込んでいる。

2017年6月14日 無断転載禁止