3回連続は難しい?

 島根が生んだ首相の一人、竹下登さんが亡くなって19日でちょうど17年になる。師弟関係のようだった小渕恵三元首相の死去から1カ月余り後のことだった▼消費税導入という大きな決断をした竹下さんは、もう一つ「平成」という今の元号も制定。昭和から平成への橋渡し役になった。その発表を受け持ったのが、後に「平成おじさん」の異名ももらった、当時官房長官の小渕さんだ▼新しい元号の制定と島根は、なぜか縁がある。大正から昭和に元号が改まったのは松江市出身の若槻礼次郎が第1次内閣を組織した時のこと。昭和、平成と2回続けて島根出身の首相が元号を決めたことになる▼平成に続く新元号は来年半ばにも発表と伝えられる。スクープを狙うマスコミ各社の取材も過熱しそうだ。『続・鬼の念佛』(木幡吹月著)によると、「大正」をスクープしたのは後に自由党総裁になり、首相の座を目前に急死した緒方竹虎だった▼当時、緒方はまだ新米記者だったが、天皇の諮問機関である枢密院の中に親しい顧問官がいたそうだ。昭和に決まる際は、別の新聞が「光文」に決まったとの誤報号外を出して大騒ぎになったという▼これまで「易経」や「書経」など中国の古典が出典になっている元号。島根にとって「3回連続」を期待するのは現状では難しそうだが、取材競争の方は、今回も続くだろう。緒方の例を見ると仮にスクープになるとすれば、それは時の政権と、そのメディアの距離感を反映しているのかもしれない。(己)

2017年6月19日 無断転載禁止