鳥取県政界は健全だ

 犯罪を準備段階から罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法が参院本会議で強行採決され成立した。安全保障関連法に続き国民の理解や党内論議を深めないまま突き進む自民党1強、安倍1強状態の国政。比べてみると鳥取県政界は何と健全か、と思える一面がある▼県議会の最大会派・県議会自民党が分裂し、長老議員ら離脱組の新会派がライバルの民進党など他党会派と組んで議長ポストを手に入れた。自民党県議の離合集散はお家芸。「またも内輪の主導権争いか」と冷ややかに眺めた県民もいたことだろう▼ただ、動機は主導権争いだとしても、県政界には「権力が一極集中して暴走しないよう歯止めをかける機能」が働いているとも言える▼県議会自民党や党県連に強い影響力を持った長老議員が県連会長の座を追われた2年前の反乱しかり。代わって力を伸ばした反長老派の県議らが意趣返しにあった今回の分裂しかり▼県議会自民党が過半数を占めた2年間、存在感が薄れていた他党会派は、この離合集散には好意的だ。合従連衡が活発に生じる県議会は、強国の秦を軸に外交戦が展開された古代中国の戦国時代さながら▼分裂について、長老議員は、過半数会派がなくなり、議論が活発になるとして「開かれた議会で県の発展策を議論できる」と大義を説いた。その言やよし。数におごらず県民のために汗をかけるか、真価が問われるのはこれから。内輪の主導権争いにすぎなかったとなれば、県民が黙ってはいない。(志)

2017年6月17日 無断転載禁止