女子ログ 豪雨と干物

 夕方の仕事終わり、ウキウキと車に乗り込んだ。近所の漁師さんから頂いたトビウオを、自分でさばいた干物が完成するのだ。30匹あったので刺し身や吸い物にし、余った分を三日干しにしていた。

 空には少し雲がかかっていたが、気に留めなかった。斐伊川土手を渡り、立橋に差しかかると、空が急に暗くなり雨がポツポツ降り始めた。「干物大丈夫かな」。次第に雨風が強くなり、ワイパーを速めても前が見えにくく、危険だと直感。すぐに道沿いのスーパーの駐車場に入った。

 車を止め、急いでスマホを取り出し、気象庁のサイトを見ると雨雲が赤く表示されていた。カーナビ内蔵のテレビでは、警戒音とともに大雨洪水注意報が出た。「干物ピンチ!」。1分間に数回の雷鳴、豪雨と風で車が揺れ、時折の「パリンッ」という音は、ガラスの割れる音に似ていて「ヒャッ!」と何度も叫んだ。家まであと5分くらいの距離なのに。「お願い、乾いたままでいて」

 30分がたち、雨がやんだ。空を見上げると、明るい雲の切れ間に向かって飛行機が上昇していった。

 家に着き、すぐに2階に駆け上がった。ベランダの扉を開け、軒下の干物カゴをのぞくと、乾いたままでほっとした。帰ってきた主人に「干物できたよ!」と満面の笑みで見せ、焼いて、香ばしい旬の味を堪能した。

    (出雲市・こいちゃん)

2017年6月17日 無断転載禁止