波風を鎮める

 怒っていても時間がたてば忘れる。新たな話が飛び込んでくれば気がそれる。疑われたら、きっぱり否定し続ける方がいい。昔、先輩から酒席で聞いた夫婦間の波風を鎮める「悪知恵」だ▼人間の心理を見透かしたようで、記憶に残っている。女性陣からは「だから男は-」と言われそうだが、新たな伴侶のあてでもない限り、別れ話にするには女性側も覚悟がいる。取りあえずは「ATM(現金自動預払機)亭主」で我慢なのか▼テレビや新聞が伝える今の政治状況も、何か似ているような気がする。森友学園や加計学園の問題はあるが、景気や雇用状況はいい方がいい。核・ミサイルの脅威も気になる。口では優しいことを言っても稼ぎが伴わないのは、もうこりごりだと思うし▼おまけに、ご近所の国もいろいろな「家庭内事情」を抱えているようだ。半年前に結婚した一番の大家は、ワンマンで「暴君」気味の結婚相手を巡る亀裂がまだ尾を引いている。裁判ざたを経て結婚したばかりの家や、自由に文句が言えない家庭もある▼気掛かりなのは、そんな環境で育つ子どもたちの将来だ。人は理想論だけでは生きていけないが、むき出しの現実や本音ばかりが目につくのは、やはり好ましくはない。子どもらしい純真な夢は育ちにくいだろう▼来年度から道徳が教科化される。それだけに身勝手な「悪知恵」はほどほどにしておかないと、世の中の空気がおかしくなりかねない。それが亭主あるいは父親としての責任のように思えるのだが。(己)

2017年6月13日 無断転載禁止