宮城から工場移転「夢食研」 豚タン好評 生産拡大へ

定食メニューに加え、好評の豚タン。商談が舞い込み、生産拡大に乗り出す=鳥取県伯耆町大殿、おらほや
 東日本大震災で被災して宮城県女川町から鳥取県伯耆町に生産拠点を移した食品製造業の夢食研(本社・女川町)が豚タンの生産を拡大する。県内で豚の内臓が捨てられているのに着目し、牛タン製造ノウハウを生かし、工場隣の食堂で定食メニューに加えたところ好評で、飲食業者から大口の商談が舞い込んだ。現在の月産100キロからトン単位へと大幅に増やし、主力商品・かりんとうと並ぶ2本柱に育てたい考え。年明けにも新工場を稼働させ、雇用を増やす計画で「鳥取に恩返ししたい」と意気込んでいる。

 同社は2011年3月の東日本大震災で工場が被災後、伯耆町久古の空き工場を活用してかりんとう製造を始め、13年に同町大殿にパン製造や水産物・食肉加工の工場も開設。15年には宮城と鳥取の食が楽しめる食堂「おらほや」を大殿工場の隣にオープンさせた。

 豚タン商品化は、県内の食肉処理施設で豚の内臓が捨てられているのを知ったのが発端。家庭用に販売するほか、宮城県が発祥とされる牛タンとともに鳥取発の豚タンとして食堂の定食メニューに加えた。独自の酵素を使って臭みと硬さを抑えたのが人気を呼び、それを耳にした関西の居酒屋チェーンから取り引きの打診があった。

 計画では、豚タン増産を機に、老朽化した久古工場を閉鎖し、大殿工場の隣に新工場を建てる。かりんとう生産も1日約1千袋から1・5倍に増やす。新工場は今夏に着工予定。

 同社工場は障害者自立支援法に基づく就労継続支援事業所で、障害者約40人が利用者として働いており、新工場でも障害者を受け入れる方針。阿部雄悦社長(76)は「鳥取への恩返しは利用者への工賃で返したい」と話し、豚タン増産が軌道に乗れば、作業工賃を引き上げたい考えだ。

2017年6月12日 無断転載禁止