女子ログ 「やいと」の思い出

 「僕に、やいとを据えてくれないか」。先日、夫が突然言い出した。「やいと」。おきゅうのことである。すかさず「やいと据えられるようなことでもしたの?」とからかった。

 かつて、どんな家でも、子どもがあまりに言うことを聞かないと「やいと据えるぞ!」と怒られたものである。幸い、夫は浮気したわけでもなければ小遣いをズルしたわけでもなく、仕事で疲れ、リラックスしたい気分になって、ふと思いついたらしい。

 私自身はやいとのお世話になったことはないが、小学生の頃はよく祖母のやいとの手伝いをさせられた。

 指につばをつけ、モグサを小指の先ほどの円すい形に固める。祖母の背中にはたくさんのやいとの跡があるので、ツボ探しには困らない。そこにモグサをのせてそっと線香で火をつけていく。たまにモグサが転がって「あちちっ! いつまでたっても下手だねえ」と

2017年6月27日 無断転載禁止