きらめく星 明けの明星

明けの明星。明るいので水面にもはっきり映(うつ)る=5月20日、出雲(いずも)市西新町で撮影(さつえい)
夜明け前に見える金星

 金星はとにかく明るい星です。空に光るものの中で、金星の明るさに勝てるのは、太陽と月しかありません。金星といえば、夕方の空の一番星をイメージする人も多いと思います。まだ薄(うす)明るい中でもよく目立つ力強い輝(かがや)きを、みなさんはきっと見たことがあるはずです。

 日暮(ひぐ)れ後の西の空に見える金星を「宵(よい)の明星(みょうじょう)」と呼(よ)びます。でも今ごろは、いくら探(さが)しても宵の明星は出ていません。なぜなら今の金星は、明け方の空に見えているからです。夜明け前の東の空に見える金星を「明(あ)けの明星」といいます。

 金星は地球と同じように太陽の周りを回る惑星(わくせい)の一つで、地球より内側を回っています。このため、太陽にある程度(ていど)近いところに見えます。真夜中に見えることはなく、宵の明星と明けの明星が9か月半ごとに入れ替(か)わります。

 今年の金星は3月23日から明けの明星になっていて、来年の1月9日まで続きます。ただ、次に宵の明星に替わる少し前からは、太陽の近くに来るため見にくくなります。見ごろは10月まででしょう。

 明けの明星を見てみましょう。今、山陰(さんいん)では午前2時半には東から金星が昇(のぼ)ってきています。3時半になると空が少しずつ明るくなってきますので、それまでに起きることをおすすめします。そこから、青くなっていく空に輝く金星を観察してください。

 夕方と同じような薄明るさでも、朝の空はなぜかすがすがしく、新鮮(しんせん)に感じます。きっと、この瞬間(しゅんかん)が一番きれいだと思える空と金星の眺(なが)めに出会えるはずです。「早起きは三文(さんもん)の得」といいますが、それ以上の価値(かち)があると思いますので、一度最高の早寝(はやね)早起きをしてみてください。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)

2017年6月28日 無断転載禁止

こども新聞