特派員便り テロに立ち向かう街

パブなどが並ぶ食材市場「バラマーケット」。事件の後、日常を取り戻し、市民や観光客でにぎわう=ロンドン
 ロンドン中心部のロンドン橋周辺は、多くの市民や観光客が行き交う繁華街だ。パブのテラス席で酒を飲みながら語らったり、路上で楽器を演奏したりと思い思いに過ごす。ウィンブルドンの観戦者も足を運んでいる。

 ロンドン橋では約1カ月前、凄惨(せいさん)な事件が起きた。歩行者が車にはねられ、食材市場「バラマーケット」の客らが車を降りた男に刃物で刺された。7人が亡くなるなど大きな被害だった。5月には、マンチェスターのコンサート会場で自爆テロも発生しており、警戒は続く。

 ウィンブルドン選手権では、会場内の警備は例年とほぼ変わらないが、手荷物検査が厳しくなったという。入場前はエックス線検査とかばんの中身を全部出してのチェック。ただ、入念に安全を確認した後は自由に動くことができる。大会関係者らの対応を通しても、「明るい雰囲気で楽しんでもらおう」という思いが伝わってくる。

 深い悲しみに包まれたロンドン橋周辺も、日常を取り戻したように見える。普段通りに過ごす姿には、テロに立ち向かう決意が秘められている。

 初めての海外取材で不安もあったが、滞在や大会で関わりのある人たちのおかげで、取材に集中できる。英国人の強く温かい心に敬意と感謝の気持ちが湧いた。

2017年7月8日 無断転載禁止