アキのKEIルポ 勝負強い選手「接戦多い」 心技体高め打開を

 「勝負強い選手」。錦織はかつて、そう呼ばれた。それは単なる印象ではなく、数々のデータからはじき出された厳然たる事実。現に昨年、ATP公式サイトが「最終セット勝率」や「ブレークポイント阻止率」などから算出した結果、錦織が「最もプレッシャーに強い選手」とのデータが出ていた。

 ただ今季の錦織には、その勝負強さが見られない。ウィンブルドン3回戦のバウティスタ戦でも、11本あったブレークポイント中、2回しかブレークできなかった。その事実が澱(おり)となって心に沈殿し、テニスのリズムそのものを崩していく……。最近の錦織がはまる負のスパイラルに、今回も陥った末の敗戦だった。

 ただ「勝負強い」という明の側面は、接戦が多いという負の側面と表裏でもある。今季が開幕したばかりの頃、錦織のマネジャー氏が「圭を勝負強いとたたえる風潮は良くない。下位選手相手にも、ピンチを迎えているということだからだ」と厳しい顔で言っていた。

 勝負強さという言葉に惑わされがちだが、解決策は心技体の精度を高めることのみかもしれない。その上でも、ハードコートシーズン開幕までの3週間が、後半戦巻き返しの鍵になる。

(フリーライター・内田暁)

     =おわり=

2017年7月10日 無断転載禁止

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