輝(き)らりキッズ 「糸操り人形」(益田)に魅せられ

歩み板の上から手板に結び付いた糸を動かして人形を操る渡辺永絆さん=益田市元町、益田市民学習センター
伝統芸能 楽しく学ぶ

来月浜田公演へ練習に力

渡辺 永絆(わたなべ なずな)さん (吉田南小6年)

 今年で伝承(でんしょう)130年を迎(むか)えた益田(ますだ)市の伝統芸能(でんとうげいのう)、益田糸操(あやつ)り人形を受け継(つ)ごうと、日夜練習に励(はげ)む女の子が同市内にいます。糸操り人形の公演(こうえん)、普及(ふきゅう)活動に努める益田糸操り人形保持者(ほじしゃ)会の最年少メンバー、渡辺永絆(わたなべなずな)さん(11)=吉田南(よしだみなみ)小学校6年=です。「大好きな糸操り人形や仲間たちと公演ができてうれしい。大人になってからも続けたい」と喜びをかみしめながら、伝統文化継承(けいしょう)への思いを語ります。

 午後7時すぎ、同市元(もと)町の市民学習センターの一角にある常設(じょうせつ)の舞台(ぶたい)で糸操り人形の練習が始まります。「シャンシャンシャン」―。渡辺さんは三味線(しゃみせん)や義太夫節(ぎだゆうぶし)に合わせ、ゆっくりと人形を動かします。相手方(かた)の人形の動きに応(おう)じ、うなずいたり、体が揺(ゆ)らいだりする様はまるで本物の人のようです。

    ☆ ★ ☆

切磋琢磨(せっさたくま)する三明慎之介さん(左)と共に、岡崎文宏会長から(中央)から指導を受ける渡辺永絆さん
 渡辺さんが益田糸操り人形と出会ったのは2015年3月、小学校3年の時でした。学校で鑑賞(かんしょう)した保持者会の出前公演に登場した人形たちに一目ぼれ。鑑賞後間もなく、前から糸操り人形が好きだった父・大樹(だいき)さん(49)と母・直子(なおこ)さん(49)の3人で保持者会に入りました。

 毎週金曜日、午後6時半から3時間、保持者会の岡崎文宏(おかざきふみひろ)会長(59)の指導(しどう)で、同じ10代メンバーの三明慎之介(みあけしんのすけ)さん(14)=益田中学校3年生=らと共に練習に励みます。練習前は自宅(じたく)でビデオを見て演目を予習するなど、上達に向けて余念(よねん)がありません。「人形の動きで気持ちを表現(ひょうげん)するのは難(むずか)しいけど、うまくできた時は楽しい」とやりがいを感じています。

    ☆ ★ ☆

 5月にあったグラントワ公演では、戦国武将(ぶしょう)の明智光秀(あけちみつひで)を題材にした「絵本太功記(たいこうき) 十段(だん)目 尼ケ崎(あまがさき)の段」で光秀の子・十次郎(じゅうじろう)の婚約者(こんやくしゃ)、初菊(はつぎく)を熱演。手傷(てきず)を負った光秀の母・皐月(さつき)を介抱(かいほう)する場面を演じ、公演後には多くの来場者に「上手(じょうず)だった」と声を掛(か)けられたそうです。

 目を見張(みは)る成長ぶりに岡崎会長は「糸操り人形に対する情熱(じょうねつ)は素晴(すば)らしい」と絶賛(ぜっさん)。直子さんも「夢中(むちゅう)になってくれてうれしいし、自分に地域(ちいき)と交流できる場をつくってくれて感謝(かんしゃ)している」と目を細めます。

 出演が決まっている8月の浜田(はまだ)公演を控(ひか)え、練習に力が入る渡辺さん。「地元はもちろん、市外の人たちに糸操り人形の良さを知ってもらいたい」と意気込(ご)みを語っています。

<プロフィル>

【好きな教科】算数

【好きな食べ物】牛乳(ぎゅうにゅう)、ブドウ

【好きなスイーツ】チョコレートケーキ

【趣味(しゅみ)】スイミング、習字

2017年7月12日 無断転載禁止

こども新聞