(92)鶴池山正蓮寺の楼門(川本)

川本町指定有形文化財の「鶴池山正蓮寺楼門」
目引く精巧な彫刻文様

 川本町南佐木の県道大田桜江線(県道46号)を進むと、大きな木造門が目に入る。1990年に町有形文化財に指定された「鶴池山(かくちざん)正蓮寺の楼門」。県東部や広島県からも見学者が訪れることがあり、地域のシンボルの一つになっている。

 建築様式は三間一戸。棟に並行する本柱4本で三つに間仕切りされ、その一つが戸(扉)になっている。本柱を軸にして前後に4本ずつ計8本の控え柱があることから、八脚門と言われる。総ケヤキ造りで、幅約7メートル、奥行き約4メートル、高さ約11メートルの立派な門だ。

 威容を誇る門の大きさとともに、戸に装飾された紋額や、横木の先端部が柱から突出した木鼻(きばな)、横材の間に置いた蟇股(かえるまた)の精巧な彫刻文様が目を引く。

 同町教育委員会によると、建立年代を特定する棟札や普請帳(ふしんちょう)は未確認だが、門の2階の木戸に貼り付けてある木版の裏の墨書から、1751年の建立とみられる。彫刻文様も江戸中期の作風という。

 同寺で貴重なのは、楼門だけではない。門をくぐるとすぐ左に、経典を納めた建物「経堂(きょうどう)」がある。内部には八角形の回転する書架「輪蔵」が設置されている。輪蔵を持つ経堂は県東部にはないという。県西部でも希少とされており、1994年に同じく、町有形文化財に指定された。

 同寺の向かいに住む林憲一さん(69)は「マイクロバスで見物客が来ることもある」と胸を張る。寺を案内することもあるといい、「地域が誇る名所の一つとしてアピールしたい」と話した。

2017年7月13日 無断転載禁止