安来・比田で夏イチゴ生産始まる 冷涼な気候に着目

夏イチゴの生産に取り組む重森はるかさん=安来市広瀬町梶福留
 島根県内最大のイチゴ産地・安来市の広瀬町比田地区で、珍しい夏イチゴの生産が始まった。イチゴは暑さに弱いため夏の生産は全国的にも少ないが、市地域おこし協力隊の重森はるかさん(29)が同地区の冷涼な気候を生かせるとして挑戦。6月から市内外に出荷している。JAや市も期待しており、重森さんは「特産品に育てたい」と意気込んでいる。

 岡山市出身の重森さんは岡山大大学院でイチゴの栽培を研究した。昨年、協力隊に委嘱され、比田地区に暮らしながら農業を学ぶ。

 イチゴの出荷は11月から5月が主流で、JAしまねによると昨年度の県内の出荷量は149トンで、うち安来市産が140トンと約94%を占める。ただ夏イチゴはゼロ。夏イチゴは北海道や長野県などで生産されるが全国的にも少ないという。

 重森さんは、標高約350メートルの中山間地にある市最南端の比田地区は冬の寒さが厳しい半面、夏は涼しい点に着目。比田をアピールできるとして、夏イチゴの生産を計画した。

 JAしまねが広瀬町梶福留に建設したリース用のビニールハウス2棟で4月、約1メートルの高さに棚を組む高設栽培で、比較的暑さに強い品種「すずあかね」の生産を始めた。JAの指導も受け、スプリンクラーで水を噴霧し、温度が上がり過ぎないよう調整している。

 夏イチゴは割高だがケーキ用など通年で需要があり、6月中旬に洋菓子店に1キロを初出荷した。重森さんは「自信を持って提供できる」と品質を自負。JAしまねの農産物直売所にも出荷している。

 15日午後5時からビニールハウス隣の比田いきいき交流館周辺で披露し、夏イチゴを使ったスイーツなどを販売する。市農林振興課の黒田耕課長は「冬のイチゴと合わせて通年で出荷できるようになる。生産を支援し、産地としてのブランド力を高めたい」と説明。重森さんは「販路を広げ、生産者を増やし、比田地区を夏イチゴの産地にしたい」と話している。

2017年7月14日 無断転載禁止

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