東京でクローン文化財展 宮廻教授ら シルクロード題材70点

クローン文化財の技術で復元した法隆寺の釈迦三尊像について解説する東京芸術大大学院の宮廻正明教授(左)ら=東京都台東区、東京芸術大
 松江市出身で、東京芸術大大学院の宮廻正明教授(66)の研究グループによる壁画などの複製技術を使った企画展「素(そ)心伝心 クローン文化財 失われた刻(とき)の再生」(東京芸術大、山陰中央新報社、しまね文化振興財団など主催)が9月23日から10月26日まで、東京都の東京芸術大大学美術館で開かれる。昨年の伊勢志摩サミットで披露された壁画など、最新鋭技術でよみがえった約70点の文化財が一堂に会する。

 複製技術は宮廻教授らが開発した同大の特許技術。デジタル撮影や科学分析、印刷技術などに、手作業による彩色を組み合わせ、実物と同一の色合いや質感を再現した作品を「クローン文化財」と位置付ける。

 同展は仏教が伝来したシルクロードがテーマ。爆破されたアフガニスタンの「バーミヤン東大仏天井壁画」(縦7メートル、横8メートル)や、国宝「法隆寺釈迦(しゃか)三尊像」(高さ4メートル、幅2・5メートル、奥行き2メートル)、両親が島根県出身で、シルクロードを巡り、撮影を続けた写真家・並河萬里氏の作品(しまね文化振興財団所有)などを展示する。

 14日に東京芸術大で会見した宮廻教授は「目で見るだけでなく、五感で感じてもらえる。現地でしか見られなかった作品を身近で鑑賞できるよう、日本全国や世界でも展示していきたい」と話した。

 18年7~8月には、松江市出身で東洋思想研究の世界的権威・中村元氏を顕彰する意味も込め、同市袖師町の島根県立美術館で今回の展示をほぼ再現する「蘇(よみがえ)る世界の文化財~バーミヤンから法隆寺への旅」(仮称、山陰中央新報社など主催)を開く予定。収益金の一部は地域の文化活動の支援に役立てる。

2017年7月15日 無断転載禁止