定例会見に臨む首長の姿勢

 鳥取県大山町の竹口大紀町長が町村長としては珍しい定例会見を始めた。4月の町長選の争点にもなった職員の不適切事務問題で町民の目が厳しい中、積極的に情報発信し、報道を通じて疑問に答え、町政への信頼を取り戻したいという考えからだ▼知事や市長はともかく町村長の定例会見は山陰両県でほかにない。踏み込んだ姿勢は評価したい。ただ、今後の開催について「情報がなければ開かないかもしれない」との発言は気になった▼定例会見で、行事の案内や政策紹介にとどまる可能性があるのは事実。他町村からは「お知らせは報道資料で十分」として、定例会見まで必要ないとする声も聞いた▼そもそも、役場からの情報発信なら広報紙やホームページを通じてできる。定例会見は報道を通じて住民の疑問に答える場だという本義を見失ってはならない▼それを承知で、記者の追及をうまくかわす首長もいる。ある知事は嫌な質問が予想されるときには、別の大きなネタを携えて関心を引く。記者としては、歯ぎしりしながら、いただかせてもらう。かたくなな首長も手ごわい。慎重な物言いをする別の知事には「用意したコメントでなく、自分の言葉で答えてほしい」と挑発したところ、むっとした表情で、用意したコメントを繰り返された▼いずれ、町村長の定例会見が珍しくない時代が来るのかもしれない。情報を扱うプロとして、いかに言葉を引き出し、分析や評価を加えて発信できるか。記者の力量も問われることを肝に銘じたい。(志)

2017年7月16日 無断転載禁止