世事抄録 小学校の英語

 小学校で英語が正課として導入されるようだ。日本人の英語教育は、中学校3年間、高校3年間、大学に進学すればさらに4年間と都合10年間ながら、満足に会話もできない人が多い。この状況を鑑みれば、誠に結構だと思う一方で、手放しで賛同というわけにもいかない。

 その理由のひとつは、本当に効果ある英語教育を行う体制が全小学校で整えられるのか、という点だ。小学校への英語導入の主な眼目は会話力向上のために「英語耳」をつくることだろう。これに異論はない。ただ、小学校の英語指導者は、中高校以上に高度な能力・スキルを持っていなければ、効果どころか逆効果さえ出るように思う。そして、すべての小学校に専門家を配置できそうにもないという現実が眼前にある。そのため、小学校の先生の多くが経験のない英語の授業に苦労されていると聞く。そこには、先生方の新たな負担増という問題も重なってくる。

 もうひとつは、授業の総枠時間は一定だから、英語が増える分どうしても別の教科を削る必要が生じることだ。特に、国語の時間がこれ以上減ることは、小生にはとても気になるし、母国語が不十分な子供に外国語を教えるべきか、という「そもそも」な疑問も払拭(ふっしょく)できない。

 小学校英語はこれらの課題解決が大前提だと考えるが、皆さんはどう思われますかな?

(島根県津和野町・柊)

2017年7月20日 無断転載禁止