大田・銀山祝う龍ふすま絵 広島の美術家奉納

奉納した龍のふすま絵の前で、制作の意図などを説明する三桝正典さん
 大田市の石見銀山遺跡の世界遺産登録10周年を記念し、同遺跡の中心部に当たる同市大森町にある龍泉山西性寺(さいしょうじ)に、2頭の龍を題材にしたふすま絵が奉納され、一般公開されている。広島女学院大教授の美術家、三桝正典氏(56)が、寺の名にちなんで泉の中から現れる龍などを描いた。こて絵で知られる同寺に新たな魅力が加わり、観光客らを迎える。

 ふすま絵は、高さ2メートル、幅3・8メートルの作品が2面制作された。泉から現れる龍と、山から下りてくる龍をアクリル絵の具で描き、今にもふすまから飛び出すかのような迫力十分の作品に仕上がっている。石見銀山にちなみ、龍が銀色の玉を手にするなど趣向が凝らされており、本堂に設置されている。

 三桝氏は、国内各地の茶室や寺などで約20作品のふすま絵を手掛けている。西性寺は、「左官の神様」と呼ばれた同市仁摩町馬路出身の松浦栄吉が制作した作品「鳳凰(ほうおう)」などのこて絵で知られ、奉納は、三桝氏と西性寺の龍善暢住職(60)が以前、広島県内の同じ学校で教職員として勤務していた縁で実現。三桝氏が打診し、昨年末に制作に取り掛かったという。

 奉納の記念式典が22日、現地であり、門徒ら約80人が集まった。三桝氏は「歴史ある寺に自分の作品を納めることができるのは、非常に光栄だ」と述べ、龍住職は「多くの方が寺を訪れるきっかけにもなるだろうし、大切に保管していきたい」と感謝した。

 門徒を代表して、会社役員の中村俊郎さん(69)が「ふすま絵が、寺と銀山をこれからも守り続けてくれると思う」と謝意を示した。

2017年7月25日 無断転載禁止