石見銀山 たんけん隊 <9時間目>

 現在(げんざい)、大田(おおだ)、出雲(いずも)の両市で展覧会(てんらんかい)「石見(いわみ)銀山展」が開かれているよ。3人は大田市の会場、石見銀山資料(しりょう)館にやってきたよ。石見銀山の発見が、日本と世界に与(あた)えた影響(えいきょう)について勉強しよう。

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銀を使った貿易の様子が描かれた南蛮船奉納(ほうのう)絵馬(西南(せいなん)学院大学博物館蔵(ぞう))
採(と)れた銀(ぎん)使い世界と貿易(ぼうえき)

 先生 大きな絵馬を見てごらん。

 さとる 船の上に日本人と外国人がいる。何をしているのかな?

 先生 銀を量(はか)っているんだ。戦国時代のポルトガル人たちとの南蛮貿易(なんばんぼうえき)の様子が描(えが)かれているよ。その頃(ころ)、銀は世界で共通して使えるお金だったんだ。だから石見銀山が発見されると、銀を求めて東アジアやヨーロッパの船が、日本にやって来るようになったよ。そして、日本で得た銀で香辛料(こうしんりょう)や陶磁器(とうじき)を購入(こうにゅう)し、ヨーロッパに持ち帰り、利益(りえき)をあげたんだ。

 しおり 高級そうなつぼも描いてあるわ。きっと、つぼも貿易で手に入れたものね。

地球儀(松浦史料博物館蔵)
 さとる 見て! 植物図鑑(ずかん)や地球儀(ぎ)がある。オランダ製(せい)って書いてあるよ。これも石見銀山と関係しているのかな?

 先生 そうなんだ。肥前国平戸(ひぜんのくにひらど)(現在の長崎(ながさき)県平戸市)に南蛮貿易で栄(さか)えた港があってね。貿易で築(きず)かれた交流を元に、平戸藩(はん)の大名、松浦家(まつらけ)に伝わった輸入(ゆにゅう)品の一部なんだよ。

 しおり 石見銀山で採(と)れた銀のおかげで、日本は世界とつながりを持つことができたんだね。

 さとる 他にどんなものが日本に輸入されたの?

 先生 実は、望遠鏡やメガネもこの頃初めて日本に入ってきたんだ。

輸入されたメガネ(個人蔵)
 しおり メガネが輸入品とは知らなかったわ。

 先生 その輸入品を元に、日本でもレンズを作る技術(ぎじゅつ)が培(つちか)われたんだ。江戸(えど)時代後期には国産で性能(せいのう)の良い望遠鏡やメガネが作られるようになったよ。

 さとる 海外から入った品物が、日本で新しい技術や文化、学問を生み出す力になっていたんだね。

 しおり 石見銀山の発見は日本の発展(はってん)に大きく貢献(こうけん)したのね。

=もっと知りたい= 石見銀山展に行ってみよう

 石見銀山資料館と古代出雲歴史博物館(歴博(れきはく))で同時に開催(かいさい)。歴博では、日本初公開となる南米ボリビアの世界遺産(いさん)・ポトシ銀山の銀製品(せいひん)などを展示(てんじ)しているよ。小中学生は観覧(かんらん)無料。9月3日まで。

・石見銀山資料館(しりょうかん)学芸員・藤原雄高(ふじはらゆたか)

2017年7月26日 無断転載禁止

こども新聞