映画プロデューサーのささやかな日常(50)

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映画館もアツい夏!

  超大作がめじろ押し

 連日本当に暑いですね。今年の夏の映画興行もアツい大激戦が予想されています。

 『東京喰種』『銀魂』『ポケモン』『カーズ/クロスロード』『ジョジョの奇妙な冒険』『ザ・マミー』『トランスフォーマー』『スパイダーマン:ホームカミング』など、洋邦問わずスケールの大きな超大作がめじろ押しだからです。なぜ同時期に大作ばかりなのか? それはやはり、親子一緒に見ることができる作品が一番収入が見込めるため、各社が集中して勝負をかける季節だからです。

 夏を含めると映画は国内で年間に洋画邦画合わせて、なんと1100本以上も公開されます(日本映画製作者連盟データより)。この数は、さらに年々少しずつ増えていますが、その理由の一つは、デジタル技術の進歩により、機材費が安価になり製作できる作品が増えたこと。映画がかつてのフィルムという手に触れることのできる「物」ではなくなり、映像が簡単にデジタル配信できるようになったこと。さらにもう一つは、映画を「コンテンツ」とみなし投資する、IT系などの新規参入企業が増えたことことなどが考えられます。

 本数が増えることにより映画産業が盛り上がるのは大歓迎ですが、同時期に公開される競合の映画が増えることになります。となると、映画を見ようと思ってもすでに上映が終わっていた、なんてことが起きてしまうわけです。その理由は単純で、全国の映画館は館数のキャパシティーが決まっているので、一本一本の映画の上映回数が限られてしまうためなのです。

 映画館の収入についてさらに言及しますと、観客が支払う入場料のおよそ50%が映画館側の収入になり、残りの50%は映画を映画館に納品した配給会社と製作者に分配されます。各映画館側は自分のところで上映する作品を選び、上映回数を決める権利があります。よって、「ヒットした映画は、上映回数を増やせば増やすほど映画館側の収入が増える」ことになります。そんな競争原理が働くので、公開したにもかかわらず、お客さんの入りが悪い作品はおのずと一日あたりの上映回数も少なくなり、早期に打ち切られることとなってしまいます。

 たとえばコンビニで、人気商品だったら売り切れるもすぐに補充され、目につきやすいベストな場所に置かれますが、売れない商品は隅に置かれ、ひっそりと消えていくのと一緒です。たとえ制作側が「地味だけど面白い!」「内容はいいので、もっと宣伝すれば来てくれるはず」と思っても、1週目、2週目の集客が悪ければ上映終了の覚悟を持たねばならないのです。

 映画を供給する配給会社、映画を製作する制作会社、映画を上映する映画館。この三つがあって、映画は皆さんにお届けできているので、「映画館」は製作者にとっては非常に大事で、丁寧に大切な関係を保たなければならないのです。

(松竹映像本部・映画プロデューサー、米子市出身)    

2017年7月28日 無断転載禁止