ロンドン大のガーストル教授 糸操り人形復活 熱心に共感

大社糸操り人形の説明を受けるアンドリュー・ガーストル教授(右)
 11月に英国・ロンドン大である益田糸操り人形(県無形民俗文化財)の公演に合わせて、日本の伝統芸能について講義する同大東洋アフリカ研究学院のアンドリュー・ガーストル教授(66)=日本伝統文化専門=が31日、島根県出雲市大社町を訪れ、地元で糸繰り人形の復活に取り組む団体と交流した。伝統継承への地域の熱意を、講義で伝えるのが目的。

 訪ねたのは、大社で戦前に行われていた糸操り人形の復活に向け活動する「出雲糸操り人形保存会」(三吉庸善会長)。保存会によると、大社の糸操り人形は江戸時代から芝居小屋や旅館で上演されていたが、戦後に途絶えた。市が人形や小道具など300点以上を保管しており、昨年6月に発足した保存会が、130年前から継承し続ける益田に続けと、人形作りなどをして公演再開の準備を進めている。

 昨年初めて行われた益田糸操り人形のロンドン公演を仲介した英国県人会会長で、出雲市出身のジョーンズ百枝さん(64)=エセックス州在住=が、大社でも取り組みがあることを紹介。ガーストル教授が事前調査を兼ねて来県した。

 同市大社町杵築南の大社コミュニティセンターで会員に面会したガーストル教授は、残っていた人形や小道具を見学し、保存会メンバーと懇談。「人形劇は人形に魂が入るからおもしろく神秘的な面がある。廃れたものを復活させるには地元の人のやる気が必要で、若い人にどう参加してもらうかが課題だ」と励ました。

 保存会事務次長の須佐公和さん(69)は「ロンドンで紹介してもらえるのはありがたい。一日も早く復活させたい」と話した。

2017年8月1日 無断転載禁止