世事抄録 横浜人情アラカルト

 先頃、横浜市立図書館へ行くことがあり、次に神奈川県立図書館に回ろうとしたが、道に不案内で、たまたま通りかかったお兄さんに尋ねると、分かりにくい道だからとわざわざ後戻りして先導されたのには恐縮した。

 図書館を出て、バスで次の目的地の墓地へ向かう。降車したものの東西南北の要領を得ず。近くの郵便局で尋ねると局内の数人に聞き合わせ、墓地そばから通勤しているという女性局員からバス停留所を教わった。

 局を出て向こうから来る男子中学生に停留所を聞くと、ニコっとうなずいてすぐUターン。そして横断歩道を渡るではないか。そこまでしなくてもと思いながら現場へたどり着くと何とそのバス停は違っていた! この男子、実は少し言葉が不自由で、何と言って良いのかお礼の言葉にまごついた。

 究極は、墓地近くの歩道でたばこをくゆらしていたおじさん。これこれの人物の墓を探しに来たと言うと「あんた地図持ってないでしょ?」と、自分ちのドアを開け奥から紙を持って来ると、板の間の上で図を書き始める。その程度の地図なら持っているんだがなあと思ったが、ありがたく頂戴し10分後に墓地へ。墓は万とあって目的物は発見できず。

 帰りにおじさんちの前を通り、顔が見えたのでお礼を言うと外へ出て来て再び何やかや。人情は出雲人の売り物と思っていたが、そうではなかった。

(松江市・変木爺)

2017年8月10日 無断転載禁止