新内閣の「におい」

 気分転換に部屋の模様替えをしてみたが、染みついたたばこの臭いは消えず、消臭スプレーを振りまいた。内閣の顔触れが変わって約1週間。東京都議選を境に急落した支持率は、狙い通りにやや持ち直したようだ。ただ安心するのはまだちょっと早い▼支持率が「危険水域」とされるレベルまで落ちた原因は、指摘されるさまざまな問題を通して、国民がある種の「におい」を感じ取ったからのような気がする。特に人口密度が高い東京は、満員電車など対人距離が近く、普段からにおいには敏感▼一種のうさんくささや「危ないにおい」、長期政権に伴う加齢臭もあるのかもしれない。ちょうど汗をかく時季。内閣改造という洗濯の機会を持つことで、何かのCMのように「においスッキリ」や「白さが際立つ」に戻したかったのでは▼顔触れを見ると、今回は何カ所かに付いた泥汚れを落とすのが主眼だったのか、使い慣れた洗剤を使い、漂白剤を2杯混ぜた程度。はやりの香り付き柔軟剤は手控えた感じだ▼新聞用語では、においの良しあしで「匂い」と「臭い」を書き分ける。変わった時期は覚えてないが、昔は平仮名の「におい」だった。ただし今でも判別が難しい場合は平仮名書き。新内閣の「におい」は平仮名で様子を見る▼せっかく洗濯したのなら生乾きのままにせず、疑念の隅々まで日にさらす天日干しがニオイには効果的だと思う。そうでないと、国民の反応がこの先「臭いニオイは元から絶たなきゃダメ」となりかねない。(己)

2017年8月12日 無断転載禁止