ロスジェネ世代の思い

 ロストジェネレーションという言葉がある。第2次ベビーブームの団塊ジュニアが当てはまり、44歳の自分もその世代だ▼人口が多く、厳しい受験戦争に巻き込まれた。大人からは「いい大学に入れば安泰」と言われたが、目の前でバブルが崩壊し、卒業する頃には就職氷河期。貧乏くじ世代とも呼ばれる▼有名大学に進んだ友人が目指した一つが公務員だった。かつて1千人を超え、狭き門だった島根県の大卒程度新規職員採用試験の応募者は減少の一途。同世代からは「本当か」との言葉が返ってきそうだ▼少子化が主要因だろうが、「成長」から「成熟」の社会となり、価値観が多様になったことが影響しているだろう。いい大学を出れば安泰という流れが崩れる中、社会に出た時に通用する力を幼い頃からいかに身に付けるかが重要になる▼夏休み真っただ中。わが家では2人の小学生と3歳の子どもが公園で虫を捕まえ、どろんこになって帰ってくる。もう一人乳飲み子を抱えながら洗濯に追われる妻も「都会では味わえない経験。将来きっと役に立つ」とうれしそうだ。都会暮らしを経験した分、島根で子育てができてよかったと感じる▼県政担当として地域課題に向き合う時に大切にしていることがある。都会と競ってもしょうがないし、ないものはない、ないからこそ良さがあると。目指すべきは一つの物差しで人生が決まるのではなく、誰でも自己実現が可能で、やり直しがきく社会。ロスジェネ世代の一人として強くそう思う。(添)

2017年8月15日 無断転載禁止